−なそ(naso)−
・準える(なぞらえる) 1.あるものを以って、本来のもの、あるいは上位のものに擬する。一般に、あるものを、他のものに匹敵するものと見なす。 類:●なずらえる 用例:浜松中納言−三「いと盛りに花やかなる御気色なれど、中納言の世にしらずなまめい給へりし御気色見知りにしかば、なぞらへ寄るべうもあらず」 2.倣(なら)い従う。 類:●似せる●真似る 用例:今鏡−一〇「ことの詞(ことば)につきてなぞらへ試みるに、奈良の御世より広まりたると侍る」 3.ある事を口実にする。 類:●託(かこつ)ける 用例:仮・恨の介−下「さて菖蒲殿(あやめどの)は何かとなぞらへ、夜も更けてこそ候へば、我が局(つぼね)にぞ入らせ給ふ」 用例の出典:浜松中納言物語(はままつちゅうなごんものがたり) 平安末期の物語。現在5巻で首巻を欠く。菅原孝標(たかすえ)の女(むすめ)の作とされる。康平5年(1062)頃の成立。主人公浜松中納言と継父左大将の娘大姫との悲恋、また、実父の転生である唐土の第三皇子を訪ねて渡唐した際ちぎった河陽県の后との恋、帰国後その后の実母吉野の尼君を訪ねて知った吉野の姫君との悲恋など、夢告と輪廻転生を軸に展開する浪漫的色彩が濃い物語。「御津(みつ)の浜松」。
・謎を掛ける(なぞをかける) 1.なぞなぞを問い掛ける。2.遠回しにそれとなく悟らせるように、言い掛ける。3.分かり難いことを言う。
・謎を解く(なぞをとく) 1.問い掛けられたなぞなぞの意を言い当てる。2.遠回しの言い掛けを聞いて、その意味を解いて知る。3.意義不明で容易く解釈のでき難い事柄などを解決する。不可解なことを明らかにする。