−なつ(natu)−
・夏歌う者は冬泣く(なつうたうものはふゆなく) 働ける夏に遊び暮らす者は冬になって寒さと飢えに苦しむという意味で、働けるときに働かない者は、後になって生活に窮するということ。
・夏風邪は馬鹿が引く(なつかぜはばかがひく) 1.愚鈍な者は、冬に引いた風邪を、夏になってから罹(かか)ったのだと気が付く。馬鹿はそれほど愚鈍であるということ。 類:●馬鹿は風邪を引かない ★「馬鹿は冬に引いた風邪を夏になって気が付く」から。 2.誤解から、一般に、夏風邪を引く者は愚か者であるということ。
・夏枯れ(なつがれ)・夏涸れ 1.植物が、夏に暑さや水不足のために萎(な)えること。 2.転じて、夏の、特に八月に、商売が不景気になること。多く、都会の商店・飲食店・劇場などについて言う。 類:●夏霜枯れ 反:■冬枯れ
・なってない・なってない 水準に達しておらず問題にならない、まったく不出来だ、滅茶苦茶(めちゃくちゃ)だ、などの意味で用いる俗語。 類:●なっちょらん●碌でもない 例:「近頃の学生はてんでなってない」
・納得尽く(なっとくずく・づく) 納得した上である。納得した結果。 例:「納得ずくで離婚する」 ★「ずく」は接尾語<国語大辞典(小)>
・夏の色(なつのいろ) 春が去り夏になったばかりの、いかにも夏らしく感じられる風物。
・夏の風邪は犬も引かぬ(なつのかぜはいぬもひかぬ) 暑い夏に風邪を引くのは、ばかばかしいことだ。 類:●夏風邪は馬鹿が引く
・夏の小袖(なつのこそで) 小袖は綿入れ(冬着)のことで、夏には不要なもの。時期外れで不用なものの喩え。 類:●夏の布子●夏炉冬扇(かろとうせん)●十日の菊●六日の菖蒲
・夏の虫氷を笑う(なつのむしこおりをわらう) 短期間しか生きない夏の虫は、冬を知らないから、氷の存在を笑って信じない。見識が狭いことの喩え。 類:●夏の虫雪を知らず●井の中の蛙大海を知らず●一を知って二を知らず 出典:「荘子−外篇・秋水第十七」「夏蟲不可以語於冰者、篤於時也」
・夏の虫飛んで火に入る 夏の虫は自分から火の中に飛び込んでその身を焼く。愚かな者が、自ら災いを招くような行動をしているということ。
・菜っ葉の肥やし(なっぱのこやし) 野菜の肥料は下肥(しもごえ)であることから、掛け声(=肥の洒落)ばかりであること。言うだけで実際の行動を起こさない者を罵(ののし)って言う。 類:●風呂屋の釜
・夏は日向を行け冬は日陰を行け(なつはひなたをいけふゆはひかげをいけ) 1.夏には敢えて日の射す道を行き、冬には敢えて寒い日陰を行くように、進んで厳しい道を選び自(みずか)らを鍛(きた)えなさいということ。身体を健康に保つ方法。2.夏の日陰や冬の日向は人に譲(ゆず)りなさいということ。出しゃばった行動を取らず、謙譲(けんじょう)の心を持ちなさいということ。
・夏もお小袖(なつもおこそで) 「戴(いただ)く物は夏もお小袖」の略。