−にん(nin)−
・任重くして道遠し(にんおもくしてみちとおし) 役割は重く、道は遠い。役割を背負う者は、心が広くて力が強くなければならないということ。だから、雑事に一々心を動かされていてはいけない。 出典:「論語−泰伯」「曾子曰、士不可以不弘毅、任重而道遠」 参考:死して後已む
・人我無相(にんがむそう) 仏教用語。個体としての人間には、常住不変の我がないと考えること。他人と自分の区別・執着を離脱した境地のこと。人間には、定まった主催者である「我」がないということ。 反:■人我の相
・人間僅か五十年(にんげんわずかごじゅうねん) どんな人生を送ろうと、その長さはせいぜい五十年しかない。人生は短いものであるということ。 類:●人生は朝露の如し 用例:伎・青砥稿花紅彩画「人間の定めは僅か五十年、六十余州に隠れのねえ、賊徒の張本日本駄右衛門」 ★平均寿命が五十歳ほどだった頃の言葉。 出典:敦盛(あつもり) 幸若舞曲。一ノ谷合戦で、平敦盛は熊谷直実(なおざね)と一騎打ちで敗北し、討ち取られる。若い敦盛を討ち取った直実は世の無常を感じ、出家する。
・人間万事金の世の中(にんげんばんじかねのよのなか) この世のことは結局、全て金に左右され、人間は金のために齷齪(あくせく)し、追い使われる。
・人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま・じんかん〜) 人間の吉凶や禍福は、転変極(きわ)まりがないということ。 類:●塞翁が馬●禍福は糾える縄の如し●禍(わざわい)も福(さいわい)の端となる
・人参で行水(にんじんでぎょうずい) 朝鮮人参の煎じた汁を浴びるほど飲むという意味で、医薬の限りを尽くして治療すること。
・人参飲んで首縊る(にんじんのんでくびをくくる) 高価な朝鮮人参を飲んで病気を治したが、その出費のために借金ができて、返済できず首を括らなければならなくなる。前後のことをよく考えなかったり、身分不相応なことをしたりすると、自分の身のためにしたことでも却って身を滅ぼすことになるということ。
・忍辱の衣(にんにくのころも)[=鎧(よろい)・袈裟(けさ)] 宗教上の迫害や侮辱(ぶじょく)を受けても心を動かさないという「忍辱の心」は、一切の害難を防ぐものである。 1.忍辱の心を、身を護る衣や鎧に喩えた言葉。 用例:栄花物語−玉台「忍辱の衣を身に着つれば」 2.転じて、僧の袈裟。
・忍辱の徳(にんにきのとく) 単なる忍耐とは違い、宗教上の迫害や侮辱(ぶじょく)を忍ぶことによって身に付く徳。 ★大乗仏教が「布施の徳」に次いで重視したもの。 参考:六波羅蜜(ろくはらみつ) 仏教用語。大乗菩薩の六種の実践修行。布施(ふせ)・持戒(じかい)・忍辱(にんにく)・精進(しょうじん)・禅定(ぜんじょう)・智慧(ちえ)の六種で、これによって涅槃(ねはん)の境界に至ることができるとされる。「六度」とも。
・忍の一字は衆妙の門(にんのいちじはしゅうみょうのもん) 忍耐することは成功への第一の要件である。耐え忍ぶことを身に付ければ、どんなことでもできるということ。 類:●ならぬ堪忍するが堪忍●勤勉は成功の母 出典:宋の呂本中(りょほんちゅう)の「東莱集−舎人官箴(かんしん)」「忍之一字、衆妙之門」 ★「衆妙の門」は、宇宙の万物(=森羅万象)を生み出す根本のところの意味で、「老子−一」に「玄之又玄、衆妙之門」と見える。 出典:東莱集(とうらいしゅう) 宋。呂祖謙(東莱)撰。淳熙2年(1175)。40巻。・・・詳細調査中。
・人非人(にんぴにん) 1.人道(じんどう)に反する行ないをする者。人情や恩義を弁(わきま)えない者。酷い仕打ちや悪事をする者を罵(ののし)る呼び方。 類:●人でなし●忘恩の徒 2.人の数に入らない者。人でありながら人として認められない者。 用例:平家−一「此一門にあらざらむ人は皆人非人なるべし」 3.仏教用語。 @緊那羅(きんなら)の別名。 参考:緊那羅(きんなら) 仏法守護の八部衆の一つ。歌舞を以って帝釈天に仕える者。人頭鳥身、或いは馬首人身で、鼓(つづみ)を打つ姿、笛を吹く姿、琵琶を持って歌舞する姿などで表現された。 A人と、人でない者。比丘(びく)・比丘尼など四衆は人で、天・竜などは非人とされる。 参考:比丘(びく) 出家して具足戒を受けた男子。転じて、一般に僧のことを指す。
・人を見て法を説け(にんをみてほうをとけ) →ひとを見て〜