−のふ(nohu)−
野太い(のぶとい)
1.非常に横着である。図々しい。また、大胆不敵である。
 類:●図太い 用例:浄・夕霧阿波鳴渡−中「今も先身に逢ひたいといふべい所、竹を呼出してくれとはのぶとい者だ」
2.声が太い。
 例:「野太い声」★「野」は当て字。箆(の)が太いの意という<国語大辞典(小)>
参考:箆(の) 矢竹(やだけ:竹の一種。主に弓矢の矢に使われた)のこと。
用例の出典:夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)浄瑠璃。世話物。3段。近松門左衛門。正徳2年(1712)大坂竹本座初演と推定される。
新町扇屋の遊女夕霧と藤屋伊左衛門との間の子を養う阿波の侍平岡左近の妻雪は、夕霧を身請けし乳母として迎えようとする。伊左衛門が駕籠舁に扮して、密かに親子の対面をするのを見た左近は、親子三人を追い払う。傷心で危篤の夕霧は伊左衛門の母に身請けされる。