−のき(noki)−
・野菊も咲くまでは只の草(のぎくもさくまではただのくさ) 野菊は、花を咲かせるまでは雑草とたいして変わらないが、花を咲かせると人目に付くようになる。人の値打ちも、その人柄や才能が発揮されて初めて分かるものであるということ。
・軒を争う(のきをあらそう)[=競(きそ)う] 1.草などが高く伸びて軒を覆(おお)い、隙間なく生い茂る。寂れて人が住まなくなった家の喩え。 用例:源氏−蓬生「しげき蓬は、のきをあらそひて生ひのぼる」 2.軒と軒とが重なり合うように家が建て込む。人家が密集している様子。 用例:方丈記「のきをあらそひし人のすまひ」 類:●軒を並べる●軒を連ねる●軒をきしる
・軒を貸して母屋を取られる(のきをかしておもやをとられる) 屋根の端の軒を貸したばかりに、家の中央部分まで取られてしまうという意味から、好意で自分の所有物を貸したのに、その一番大切な部分、あるいはその全体を奪われてしまうこと。また転じて、恩を仇で返されること。 類:●庇(ひさし)を貸して母屋を取られる●片屋貸して母屋取られる●貸家栄えて母屋倒る
・軒を軋る(のきをきしる) 軒と軒とが接して軋む音が出そうだということで、人家が密集して建ち並んでいる様子。 類:●軒を争う●軒を並べる●軒を連ねる
・軒を並べる(のきをならべる)[=連(つら)ねる] 軒と軒とが重なり合うように家が建て込む。人家が密集している様子。 類:●軒を争う