−のみ(nomi)−
・飲み口が外れる(のみくちがはずれる) 酒樽などの下方の詮が外れるという意味から転じて、小便が漏れること。
・呑み口上戸(のみくちじょうご) 酒樽(さかだる)の呑み口は酒を出したあと必ず捻(ひね)っておくところから、酔うと一理屈を捏(こ)ねる酒飲みのこと。
・飲み込み顔(のみこみがお) 理解し納得した顔付きという意味で、何もかも心得ているような顔をしている様子。 ★揶揄的にいう場合に用いる<国語慣用句辞典(集)>
・飲み込みが付く(のみこみがつく) 納得できるという意味で、良く理解していなかったものごとについて、説明を受けて納得がいくということ。
・飲み込みが早い(のみこみがはやい)[=良い] 1.理解するのが早い。 例:「中々飲み込みが早いじゃないか」 2.幼児などが、物覚えが良い。 例:「下の子の方が飲み込みが早い」
・飲み込み仕事(のみこみしごと) 口約束だけで、気軽に引き受けてする仕事。
・飲み込み姿(のみこみすがた) 良く知っているような振りをすること。通人ぶること。また、そのような様子、態度。 類:●物知り顔
・飲み込み違い(のみこみちがい)[=違(たが)え] 間違った理解をすることで、思い違い、考え違いのこと。
・飲み込み山(のみこみやま) 承知すること。引き受けること。 例:「呑み込み山の不如帰(ほととぎす)」 ★意味のない「山」を添えてしゃれていった語で、江戸で主に用いられた<国語大辞典(小)>
・飲み助(のみすけ)・呑み助 大酒飲みや年中酒びたりの人を人名のように表わした呼び方。 類:●飲兵衛
・飲み潰れる(のみつぶれる) 酒を飲み過ぎて意識を失う。泥酔して、その場で眠り込む、また、倒れる。
・鑿と言えば槌(のみといえばつち) 1.鑿が必要だと言えば、一緒に使うはずの槌まで用意してくれることから、万事に気が利くこと。また、言われたことに対して機転を利かせて立ち回れということ。2.気脈(きみゃく)を通じている様子。気心が通じていて仲が好いこと。 類:●つうかあ(ツーカー)●打てば響く
・蚤取り眼(のみのまなこ) 蚤を探し取るように、小さいものでも見逃すまいと、注意して探す目付き。辺りに気を配る鋭い目付き。 類:●蚤を取る眼 例:「蚤取眼になって探す」
・蚤の息さえ天に上る(のみのいきさえてんにのぼる・あがる) 力が弱い者や矮小な者でも、一心に行えば何事でも成し遂げることができる。 類:●蚤の息が天●蟻の思いも天に届く
・蚤の皮を剥ぐ(のみのかわをはぐ) つまらないことに齷齪(あくせく)していること。
・蚤の四月蚊の五月(のみのしがつかのごがつ) 蚤や蚊が発生する時候をいったもの。「蚤の五月に蚊の六月」などとも言う。
・蚤の小便蚊の涙(のみのしょうべんかのなみだ) 極めて少量のこと。ほんのちょっとのこと。 類:●雀の涙
・蚤の心臓(のみのしんぞう) 非常に臆病な人の喩え。些細なことに驚くような人にも言う。 例:「図体は大きいが蚤の心臓だ」
・蚤の夫婦(のみのふうふ・めおと) 蚤の雌は雄より大きいというところから、夫より妻の方が、身体が大きい夫婦のこと。
・蚤も殺さぬ(のみもころさぬ) 小さな蚤さえも殺さないという意味から、非常に優しく大人しい気質を表わす。 類:●虫も殺さぬ 例:「蚤も殺さない顔をしている」