−ぬき(nuki)−
・抜き足差し足(ぬきあしさしあし) 音のしないように静かに、そっと歩く様子。 例:「抜き足差し足忍び足」
・抜き打ち(ぬきうち) 1.刀を抜くと同時に斬り付けること。2.前もって何も知らせないで、急に事を行なうこと。 例:「抜打ち検査」
・抜き差しならぬ(ぬきさしならぬ) 処置のしようがない。どうにもならない。 類:●のっぴきならない●二進も三進もいかぬ 用例:浄・妹背山婦女庭訓−一「いかほどにあらがはれても、抜差しならぬ証拠ありと」 ★刀が錆びてしまって、鞘から抜けなく(鞘に収められなく)なることから。 用例の出典:妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) 浄瑠璃。時代物。5段。近松半二を中心に、松田ばく、栄善平、近松東南らが合作。明和8年(1771)大坂竹本座初演。藤原鎌足が蘇我入鹿を討った事件を骨子とし、これに説話、伝説などを取り合わせて作ったもの。
・抜手を切る(ぬきてをきる) 「抜手」とは、水を掻いた手を返すときに抜き上げる泳法。抜手で泳ぐという意味から、人生の荒波を切り抜けていくということ。
・抽きん出る(ぬきんでる)・抜きん出る 1.仲間から抜け出る。飛び出す。類:●抜け駆けする 用例:太平記−一三「心早(はや)き人なりければ、只一人抽(ヌキンデ)て」 2.人並み外れて優れる。秀でる。 例:「抜きん出た長身」「衆に抜きん出る」