−おあ(oa)−
・お愛想(おあいそ) 1.人を喜ばせるための言葉や振る舞い。2.特別な心遣いや持て成し。また、気を利かして与える金品。 3.飲食店などの勘定・勘定書。 類:●愛想 ★飲食は「ツケ」が当たり前の時代、店側が「愛想尽かしだ(溜まったツケを精算して、二度と来るな)」の意味で言ったものか。お互い馴染みなので、軽口(かるくち)めかして言われたと推測される。
・お生憎様(おあいにくさま) 1.相手の期待に添えないとき、断わりに言う言葉。詫びたり、慰(なぐさ)めたりする気持ちを込める。 類:●お気の毒様 2.皮肉を込めて断わる言葉。 例:「お生憎様、あなたの情けは受けません」
・お足(おあし) 1.足の尊敬語。踝(くるぶし)より下。2.金銭のこと。元女房詞。 用例:貞丈雑記−一五「銭を料足とも要脚とも云、女の詞に御足と云事。(中略)銭の世上をめぐりありく事足あるがごとし」 ★晋の魯褒の『銭神論』の「翼無く而も飛び、足無くして而も走る」の句から出たという。 ★もと女性語で、「あし(足)」の丁寧語。特に穴あき銭をさすことが多かった<国語大辞典(小)> 3.叱(しか)られること。 用例:浄・伊賀越乗掛合羽−鎌倉山「見付けられたら又お足と」 用例の出典:貞丈雑記(ていじょうざっき) 江戸中期の有職故実研究書。伊勢貞丈(さだたけ)。16巻16冊。宝暦13年(1763)〜天明4年(1784)に成る。天保14年(1843)刊。貞丈が子孫の為に書き続けた雑記を編集したもの。内容は武家有職に関する諸事項で36部門2,350項に及ぶ。 参考:銭神論(せんしんろん) 賦。魯褒(ろほう)。晋代、紀元310年頃。西晋頃の拝金思想を揶揄したもの。銭は鬼神をも駆使すると説いた。
・お預けを食う(おあずけをくう) 待望していたものごとの、実現が延ばされること。 例:「社長の長いスピーチが終わるまでお預けを食った」
・お後が宜しいようで(おあとがよろしいようで) 1.落語で、下げを言った後に言う常套句(じょうとうく)。次の出演者の用意が整ったようなので、の意味。 ★八代目桂文楽がよく言っていたもの。昭和20年代頃か。 ★一説に、「自分の噺(はなし)はこの程度のものですが、次の出演者はもっと上手だと思います」の意味もあるという。 2.一般に、演目の終了を意味する挨拶(あいさつ)として言う。 類:●おしまい