−おは(oha)−
・尾羽打ち枯らす(おはうちからす)[=打ち枯れる] 鷹の尾羽が傷付いたみすぼらしい様子ということから、零落(おちぶ)れてみすぼらしい姿になる。 類:●零落する●尾も羽もなし 反:■羽振りが良い 用例:咄・鹿の巻筆−二「永々の浪人にてをはをうちからし」 用例:浄・菅原伝授手習鑑−一「おは打かれし武部(たけべ)夫婦」 用例の出典@:鹿の巻筆(しかのまきふで) 江戸前期の噺本(はなしぼん)。5冊。鹿野武左衛門著、古山師重画。貞享3年(1686)刊。29の落語を収める。後に絶板を命ぜられ、著者は流罪となった。 用例の出典A:菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ) 浄瑠璃。時代物。5段。竹田出雲(二世)・並木千柳(宗輔)・三好松洛・竹田小出雲合作。延享3年(1746)初演。藤原時平の讒言による菅原道真の配流と北野天満宮の縁起を背景に、梅王、松王、桜丸という三つ子の兄弟夫婦や、武部源蔵夫妻の菅原家への忠節などを描く。省略して、「菅原」とも。
・十八番(おはこ) 1.取って置きの、得意とする芸。 類:●お家芸 用例:人情・清談松の調−四「大津絵節の踊が、大の得意(オハコ)で」 2.転じて、その人が良くやる動作や良く口にする言葉。また、その人の癖。 類:●お家芸●専売特許 例:「また、おはこの泣き言が出た」 ★箱に入れて大切に保存する意から。また、市川家の得意な芸「歌舞伎十八番」の台本を箱入りで保存したことに由来するともいう<国語大辞典(小)> 用例の出典:清談松の調(せいだんまつのしらべ) 人情物。・・・調査中。
・お鉢が回る(おはちがまわる) 順番が回ってくる。 ★人が多いと飯櫃(めしびつ)がなかなか回ってこないからという<国語大辞典(小)>
・お払い箱(おはらいばこ) 1.伊勢神宮から頒布される御祓の大麻(たいま=お札)を入れてある箱。 ★江戸時代には、御師(おし)から諸国の信者へ年ごとに配った。 2.解雇されること。 用例:黄・啌多雁取帳「寝御座一枚にておはらひばこの身となりしが」 3.不用品を捨てること。 例:「こわれた洗濯機をお払箱にする」 ★毎年新しいお札が来て古いお札は不用となるところから「祓(はらい)」を「払(はらい)」にかけたしゃれ<国語大辞典(小)> 用例の出典:啌多雁取帳(うそしっかりがんとりちょう) 黄表紙本。奈蒔野馬乎人。江戸の戯作絵本・初期黄表紙集。・・・詳細調査中。