−おか(oka)−
・犯さぬ顔(おかさぬかお) さも悪事をしなかったかのような、平然とした顔付き。 用例:史記抄−一六「ちっともをかさぬかをて」 類:●素(そ)知らぬ顔 用例の出典:史記抄(しきしょう) 室町中期の、「史記」についての講義録。10巻に首巻を付す。桃源瑞仙著。文明9年(1477)成立。講義調の用語で記されており、当時の言語生活を知る資料。
・おかちめんこ 俗語。顔立ちが整っていない不器量な女性を指す俗語。 類:●醜女(しこめ)●ぶす ★餅を指す女房詞「おかちん」と関係ある語か。「めんこ」の「こ」は、親愛の情を示す接尾語と考えられる。
・お門が違う(おかどがちがう) 見当外れである。また、専門外である。 類:●お門違い
・お門違い(おかどちがい) 1.間違った家や人、方向に行くこと。2.ものごとが間違った方向を目指すこと。 類:●見当違い 用例:雑俳・柳多留−二八「お門違さとそろそろ出来かかり」
・岡評議(おかひょうぎ) 「岡」は局外のこと。その事に関係のない者がする議論。当事者以外の者の無用の論議。 類:●傍(そば)評議
・お株を奪う(おかぶをうばう) ある人が得意とすることを、他の者が取って代わってする。 ★「お株」は、その人の得意技や良くやる癖のこと。 ★「株」は、近世に、お上から世襲や継続を許された特権や地位または家業などを意味した。「株を奪う」ということは、馴れた肩書きや継いで来た職業を取ってしまうということ。これが一般化して、その人の得意なことを他の者が易々とやってしまうことを指すようになった。
・陸へ上がった河童(おかへあがったかっぱ) 場所、環境が変わって、能力のある者がまったく無力になること。 類:●陸へ上がった船頭●陸(くが)に上がれる魚(いお)
・お構いなし(おかまいなし) 1.他人の気持ちや、周囲の状況に構わないこと。関心がないこと。また、そういう性格の人。 例:「迷惑顔などお構いなし」 2.江戸時代の裁きで、無罪になること。
・お釜を起こす(おかまをおこす) 竈(かまど)を築くという意味から、身代を起こすこと。また、財産を作ること。 類:●竈(かまど)を起こす
・拝み倒す(おがみたおす) 神仏を拝むように、何度も何度も手を合わせて嘆願し、最後には頼みごとを聞き入れさせる。相手を根負けさせて、渋々にでも承知させる。 例:「義兄を拝み倒して金を借りた」
・阿亀(おかめ) 1.お多福の仮面。下膨(しもぶく)れの丸顔で、鼻が低く頬(ほお)の高い女の仮面。お多福面。 ★甕(かめ)に似ているからという。「阿亀」は、当て字。 ★「ひょっとこ」と対(つい)で用いられたりする。 2.お多福面に似た顔の女。多く、醜女(しこめ)を嘲(あざけ)って言う。 類:●お多福●おかちめんこ●ぶす 用例:雑俳・柳多留−一四「およしをかたづけお亀にむこをとり」 3.伊勢・尾張地方で、宿場女郎・飯盛り女のこと。4.おかめ蕎麦(そば)、おかめ饂飩(うどん))の略。
・傍目八目(おかめはちもく)
・お冠(おかんむり) 「冠を曲げる」から出た言葉。機嫌が悪いこと。怒っている様子。 類:●冠を曲げる 例:「ひどくお冠だ」