−おき(oki)−
・起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半(おきてはんじょうねていちじょう、てんかとってもにごうはん) 人はどんなに偉かろうとも、起きているとき半畳寝そべっても精々一畳分の存在でしかなく、仮令(たとえ)天下人になったとしても、一食に食べられる飯は二合半が限度といったところである。齷齪(あくせく)と富貴ばかりを追い求めるものではないということ。 類:●千畳敷に寝ても畳一枚
・沖な物当て(おきなものあて) 海の沖にいる獲物(えもの)を当てにすること。まだ手に入れていないものを当てにすることの喩え。 類:●沖のハマチ●捕らぬ狸の皮算用
・お気に召す(おきにめす) 「気に入る」の尊敬語。 例:「お気に召しませんか?」
・お気の毒(おきのどく) 1.他人の身の上や状況などが可哀想なのを同情する気持ちを表わす語。現代では、多く「様」を伴い、冷やかしの気持ちを込めて言う。 類:●ご愁傷様 例:「3軒も梯子して二日酔いですって? お気の毒様」 2.他人に迷惑や苦労を掛けたり、要望を断わったりして、済まないという気持ちを表わす言葉。 類:●お生憎様 用例:雑俳・柳多留−七〇「御気の毒などと座敷をおったてる」 例:「お気の毒ですがお引取りください」
・沖の(おきのはまち) 当てにならないことの喩え。 類:●沖な物当て●捕らぬ狸の皮算用 ★鰤(ぶり)は、ハマチと呼ばれる間は沖を回遊し、中々獲(と)れないこことから。
・沖にも付かず磯にも離る(おきにもつかずいそにもはなる) 頼りにする人がないことの喩え。また、どっちつかずの状態でいること。
・御決まり(おきまり) ある情況では、いつもそうなると決まっていること。また、いつもそうなるから、うんざりすること。 類:●お定まり●定例の 例:「門限を過ぎるとお決まりのお説教が始まる」
・置き土産(おきみやげ) 1.立ち去るときや旅立つときに、その場に残す贈り物。2.死んだ人や前任者が残した業績、または、負債。 例:「前総理の置き土産」
・御侠(おきゃん) 若い女が活発過ぎて軽はずみなこと。女らしさに欠け、慎(つつし)みがないこと。また、そのような娘。 類:●お転婆●蓮っ葉 ★「きゃん」は「侠」の唐宋音<国語大辞典(小)> ★明治以降にできた言葉。 参考:侠(きゃん) 勇み肌で粋なこと。気負っていて粋な様子。また、そのような人。競(きお)い肌。 用例:談・根無草−前「御弟素戔嗚尊、御性質甚だきゃんにてましませば」 ★主に、男に対して言った。
・沖を泳ぐ(おきをおよぐ)[=越える・越す] 遊里で、太夫や天神を揚げて豪遊する。 類:●沖を漕ぐ
・沖を漕ぐ(おきをこぐ) 1.技芸などが、非常に優れた境地に達する。他より進んだ段階にある。 用例:評判・難波の偃は伊勢の白粉−三「自躰新艘の時から沖を漕いだが」 2.遊里で、太夫や天神を揚げて豪遊する。 用例:浮・好色盛衰記−四「沖をこひだる大さはぎ」 3.男女が深い仲になる。 用例:伎・お染久松色読販−大切「沖漕いだ二人りが跡に」 用例の出典:難波の偃は伊勢の白粉(なにわのかおはいせの??) 歌舞伎。井原西鶴。延宝9年(1681)。・・・調査中。
・沖を深めて(おきをふかめて) 心の奥底から。 用例:万葉−四「沖を深めて吾が念へる」