−おん2(on2)−
・女は氏なくて玉の輿に乗る(おんなはうじなくしてたまのこしにのる) 女は家柄が卑(いや)しくても、容姿や運などが良ければ、富貴な人の妻となって良い生活ができる。 類:●氏なくて玉の輿に乗る
・女は売り物(おんなはうりもの) 娘は、息子と違って、まるで売り物のように、嫁として他所(よそ)へやらなくてはならないものだということ。主に、父親が嘆(なげ)いて言う。
・女は会釈に余れ(おんなはえしゃくにあまれ) 女は全てのことに控え目にしなさい。
・女は門開き(おんなはかどびらき) 天鈿女命(あまのうずめのみこと)が舞いを舞って天の岩戸を開いたという故事から、女は縁起が良いものだという言葉。特に、初産(ういざん)で女の子が生まれたときなどに言われる。 用例:狂言記・連尺「女は門開きと申してめでたいもので御ざる」
・女は下げて育てよ(おんなはさげてそだてよ) 女はその家柄より低い程度に育てよということ。そうすれば、生家より生活程度が低いところへ嫁に行っても、苦しい思いをしたり、増長したりすることがない。
・女は三界に家なし(おんなはさんがいにいえない) 女は、幼少のときは親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならないものであるから、どこにも安住できるところがない。 類:●女に家なし●女に三つの家なし ★「三界」は、全世界の意<国語大辞典(小)> ★または、過去・現在・未来の三世のこと。
・女は化け物(おんなはばけもの) 女は衣装や化粧、髪型などによって、すっかり変わるものである。 ★「化け物」は、「化ける生き物」の意味。化粧を落としたときの顔を指して言う諺ではない。
・女は魔物(おんなはまもの) 女は、男を惑(まど)わせたり、外面とは異なった恐しいものを内に持った悪魔のような存在である。
・女は弱しされど母は強し(おんなはよわしされどはははつよし) 女は母親になると、子供を守るために強い力を発揮するものである。 ★ヴィクトル・ユゴーの言葉。
・女日照り(おんなひでり)・女旱 1.男が女に不自由をすること。 例:「このところ女日照りでね」 2.男が好ましく思う女の数が少ない場所や場面。 例:「混浴風呂は婆さんばかりの女日照り」
・女寡に花が咲く(おんなやもめにはながさく) 女が寡婦(やもめ)になると、却(かえ)って身綺麗になり、男たちからも持て囃(はや)される。 ★「男鰥に蛆が湧く」の対句として言われる。 ★「やもめ」の「め」は、元来「女」のこと。古語では、未婚の男女にも、既婚で連れ合いを亡くした男女にも使った。「やも」は、「病人(やもうど)」或いは「山人(やもうど)」と関連のある語か?(未詳)
・女を拵える(おんなをこしらえる) 男が、愛人を持つ。 例:「部長は、外に女を拵えているらしい」
・女を知る(おんなをしる) 男が、女と初めて肉体関係を持つ。 類:●筆を下ろす
・恩に着せる(おんにきせる) 他人に少しばかりの恩を施(ほどこ)したことを、殊更(ことさら)誇ったり、過剰に有り難がらせるような態度を取ったりする。 例:「恩に着せられるくらいなら借りない」
・恩に着る(おんにきる) 他人から恩を受けて有り難く思う。
・御の字(おんのじ) 御の字を付けたいほどのものという意味から、1.特に優れた物や人。 用例:歌謡・淋敷座之慰「是こそお町のおんのぢと」 2.大変結構なこと。極めて満足なこと。 用例:雑俳・柳多留−五「御の字に成ったと花見したくする」 例:「一万円なら御の字だ」 ★江戸初期の遊里語から出た語<国語大辞典(小)> 用例の出典:淋敷座之慰(さびしきざのなぐさみ・なぐさめ?) 歌謡集。延宝4年(1676)。別名「はやり小うた」。・・・詳細調査中。
・恩の死にはせねども義理の死にはする(おんのしにはせねどもぎりのしにはする)[=情(なさ)けの死にはする] 恩のためには命を捨てる者はいないが、義理や人情のためなら命を捨てる者がたくさんいる。 類:●恩の腹は切らねど情の腰は切る
・恩の主より情けの主(おんのしゅよりなさけのしゅ)・恩よりも情の主 恩を受けた人よりも、情けを受けた人の方を嬉しく思う。
・乳母日傘(おんばひがさ・おんばひからかさ)[=御乳母日傘] 1.我が子を可愛がって、乳母を付け、外出のときに日傘を差し掛けるほどである。幼い頃に大切に育てられること。2.過保護に育てられること。 類:●乳母(おんば)育ち 例:「御乳母日傘で育てられたせいか、押しが弱い」
・オンパレード(おんぱれえど) 英語on parade。 1.俳優などの勢揃い。総出演。大行進。 類:●総出(そうで) 2.比喩的に、物や事柄がずらりと並ぶこと。また、華やかに引き続いて行なわれること。 例:「年金未払い議員のオンパレード」
・負んぶに抱っこ(おんぶにだっこ) 一切合財を他人任せにすること。 類:●負んぶに抱っこに肩車 ★「負んぶ」は、他人に頼ること。特に、他人に金銭や品物を負担させること。「抱っこ」は、「負んぶ」を強調するために付けたもので、「抱っこ」自体には負担させるの意味はない。後に「肩車」まで添える場合もある。
・恩を仇で返す(おんをあだでかえす)[=報ずる] 受けた恩に対して、恩で報いることをしないで、却(かえ)って相手に害を与えるようなことをする。 反:■仇を恩で報いる
・恩を売る(おんをうる) 功利心から恩恵を他人に与える。後々の自分の利益を考えて、他人に恩を施(ほどこ)しておく。