−おな(ona)−
・御中を拵える(おなかをこしらえる) (近頃は、「御腹」・「お腹」とも書く) 食事をして腹を一杯にする。 用例:伽・福富草紙「これかまへて、すき腹にすかせ給ふな。ちとおなかをつくろひて」 ★「御中」は、飯、食事をいう女房詞。食卓のまん中に飯を置き、そのまわりに副食物を置いたところから<国語大辞典(小)> →転じて、腹を指す女性語となったという。 用例の出典:福富草紙(ふくとみぞうし) お伽草子。1巻。作者未詳。南北朝頃の成立か。放屁の上手な福富織部の富み栄えるのを羨んだ隣の男が真似て大失敗する話。
・御長物(おながもの) 饂飩(うどん)を言い表す女房詞。
・お流れ(おながれ) 1.酒席で、目上の人が飲んだ杯を受けて酒を飲むこと。また、その酒。 ★元は、貴人や主君の杯に残った酒を貰った。 2.目上の人から、不要な品を貰うこと。 類:●お下がり●お滑り 3.予定していた行事や会合が中止になること。 類:●流会●沙汰止み
・お慰み(おなぐさみ) お楽しみ。結構なこと。期待しながらも失敗するであろうことをやや予期し、からかい半分で使う。また、皮肉の意味を込めても言う。 用例:雑俳・湯だらひ「のうれんを首尾よう取たらおなぐさみ」 用例の出典:湯だらひ(ゆだらい) 雑俳。・・・調査中。
・同じ穴の狢(おなじあなのむじな)
・同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう)
・同じ土俵に上がる(おなじどひょうにあがる)[=乗る・立つ] 1.話し合いの場で同じ議題について話し合う。 反:■一人相撲を取る 例:「新人のA君もやっと同じ土俵に上がってきたね」 2.あることが行なわれる場に、同等の立場で臨(のぞ)む。 例:「正会員と認められて初めて同じ土俵へ上がれる」
・同じ流れを汲む(おなじながれをくむ)[=掬(むす)ぶ] 別々の人が同じ流れの水を手で掬(すく)って汲んだということで、同じ因縁に繋(つな)がる者ということ。 参考:一樹の陰一河の流れも多生の縁 出典:「説法明眼論」「或処一村、宿一樹下、汲一河流、一夜同宿、一日夫婦、皆是先世結縁」
・同じ蓮(おなじはちす) 共に極楽浄土で生れ変わる意味で、死後もその運命を共にすること。類:●一蓮托生
・お涙頂戴(おなみだちょうだい) 芝居や映画で、観客の涙をそそるのを目的として作られたもの。また、その場面。
・おなら 1.屁(へ)。 類:●出物 ★もと女房詞。「ならす(鳴)」の連用形の名詞化した「ならし」に接頭語「お」の付いたものから転じた語という<国語大辞典(小学館)> 2.屁を放(ひ)ること。 類:●放屁(ほうひ)
・おならし 葱(ねぎ)を言い表す女房詞。