−おお1(oo1)−
・大味(おおあじ) 1.食物の味が単純で微妙な風味に欠けること。味が淡白なこと。 例:「大きい魚は一般的に大味だ」 2.転じて、ものごとが、大まかで趣(おもむき)に乏(とぼ)しい様子。 例:「大味な作品になってしまった」 3.相場で、値に幅があって、面白みがあること。
・大犬は子犬を責め、子犬は糞を責める(おおいぬはこいぬをせめ、こいぬはくそをせめる) 立場の弱い者は、自分より更に弱い者をを苛(いじ)めるものである。弱い者苛めは世の常であるということ。
・大男総身に知恵が回り兼ね(おおおとこそうみにちえがまわりかね) 身体ばかり大きくて愚かな者を嘲(あざけ)る言葉。 類:●独活の大木●A great
head and a little wit.(大頭の脳足りん) ★「小男の総身の知恵も知れたもの」という言葉もあるという。 ★江戸期の川柳か。
・大風吹けば古家の祟り(おおかぜふけばふるやのたたり) 弱点の多い者は、何もない時は良いが、何かが起きたときに襤褸(ぼろ)が出る。
・狼に衣(おおかみにころも) 凶悪無慈悲な人間が、上辺だけは優しく善人らしく装(よそお)うこと。 類:●鬼に衣
・狼者(おおかみもの) 1.骨惜しみする者や横着(おうちゃく)な者を罵(ののし)っていう言葉。2.外面は優しく内心は邪悪な者。
・大きい薬缶は沸きが遅い(おおきいやかんはわきがおそい) 大きい薬缶は、水がたくさん入るのでなかなか沸(わ)かない。器(うつわ)の大きい人物は、普通の人より大成するまでに時間が掛かるということの喩え。 類:●大器晩成
・大きく出る(おおきくでる) 大袈裟なことを言う。また、偉そうにものを言う。 例:「大きく出たね」
・大きなお世話(おおきなおせわ)[=大きに〜] 必要以上のおせっかいであるということ。要らぬおせっかい。
・大木の下に小木育たず(おおきのしたにおぎそだたず) 権力の強い者の下にいると、大物になれなれないということの喩え。 類:●大樹の下に美草なし 反:■大木の下に小木育つ
・大木の下に小木育つ(おおきのしたにおぎそだつ) 弱い者は強い者に依存して生きていくものだということ。権力を持つ者の周りには、その力をあてにして多くの者が自然に集まるということ。 類:●寄らば大樹の陰 反:■大木の下に小木育たず
・大口を叩く(おおくちをたたく・おおぐちを〜) 大袈裟(おおげさ)なことを言う。偉そうに言う。 類:●大言壮語する●骨箱を叩く●頤(おとがい)を叩く●御大層をまける 例:「大口を叩く者ほど当てにならない」
・大袈裟(おおげさ) 1.大きな袈裟(僧の法衣)。2.一方の肩先から反対側の脇の下に、袈裟掛けに斬り下すこと。3.ものごとを実際より大変であるように言ったりしたりする。また、仕掛けなどが必要以上に大きいこと。 類:●大仰(おおぎょう) 例:「話が大袈裟だ」「大袈裟に準備する」
・大雑把(おおざっぱ) 1.細かいことに拘(こだ)らない様子。こせこせしない様子。また、雑である様子。 類:●おおまか 用例:雑俳・俳諧帑「江戸っ子は何につけても大ざっぱ」 2.細部を捨て、要点を捉(とら)えていること。概括的であること。また、大掴(づか)みであること。 類:●おおまか 例:「大雑把に見積もると100万ほどになる」
・大時代(おおじだい) 「大時代狂言」または「大時代物」の略から転じて、酷(ひど)く古びた、時代遅れのものごと。極めて古風なこと。 類:●古色蒼然
・大芝居(おおしばい) 事実とは違うことを、堂々と、または、大じかけでする。 例:「大芝居を打つ」
・大詰め(おおづめ) 1.江戸の歌舞伎で、一番目狂言(時代物)の最後の幕のこと。転じて、演劇、戯曲の最終幕のこと。 類:●大切り●大団円 ★江戸の歌舞伎では、一番目狂言(時代物)の最後の幕を「大詰」といい、二番目狂言(世話物)の最終の幕を「大切(おおぎり)」といった<大辞林(三)> 2.ものごとの終わりの段階。 類:●終局 例:「プロジェクトが大詰めを迎える」
・大っぴら(おおっぴら)・大びら 「大っぴら」は、「大びら」の促音添加。 1.傍目や人聞きを気にしない様子。遠慮がない様子。ものごとを公然とすること。 2.意図的に、人目に触れるようにすること。あからさまになること。 例:「秘密を大っぴらにする」 ★「大開き」の意から<国語大辞典(小)>
・大手を振って歩く(おおでをふってあるく) 威張って堂々と歩く。辺りを憚らない態度をする。
・大手を振る(おおでをふる) 1.歩くときに両手を大きく振る。2.他人に遠慮せずに堂々と行動する。 例:「これで大手を振って故郷に帰れる」 3.当然のように罷(まか)り通る。誰にも憚(はばか)らずに行なう。 類:●横行する 例:「官僚の世界では賄賂が大手を振って通用する」