−おた(ota)−
・お高くとまる(おたかくとまる) 人を見下した態度を取る。仲間に加わらないで取り澄ましている。
・阿多福(おたふく) 1.丸顔で、額が高く、頬が膨れ、鼻が低い女の顔の面。2.お多福面のような醜い顔の女。主に、女を嘲(あざけ)って使う。 類:●おかめ●三平二満 3.自分の妻のことを謙遜して呼ぶ言葉。 類:●愚妻(ぐさい) 4.中限(なかぎり)相場が、当限(とうぎり)及び先限(さきぎり)に比べて安いこと。
・お陀仏(おだぶつ) 1.死ぬこと。 類:●往生 用例:滑・膝栗毛−三「イヤこの肴(さかな)はおだぶつだぜ」 2.駄目になること。また、失敗に終わること。 用例:滑・浮世風呂−前「是にて将棊(せうぎ)はおだ仏かい」 ★阿弥陀仏(あみだぶつ)を唱えて往生する意<国語大辞典(小)>
・お為顔(おためがお) 主人などに忠実であるように装った顔付き。忠義振ること。 用例:浄・淀鯉出世滝徳−上「おためがほでだんなをひづめ」 用例の出典:淀鯉出世滝徳(よどごいしゅっせのたきのぼり) 近松門左衛門。宝永6年(1709)。処罰物。淀屋辰五郎の闕所(けっしょ=家財など没収)事件を題材。豪商江戸屋勝二郎が遊女狂いしている間に、取り巻き連中が悪だくみ。太夫吾妻とともに奈良に落ちるが、吾妻が身請け話を勘違いして、人を殺す破目に<近松門左衛門でござーい!>
・お為ごかし(おためごかし) 表面は相手の利益を図っているように見せ掛けて、その実は自分の利益を図っていること。 用例:浄・祇園女御九重錦−二「『必油断なされな』と、お為ごかしに云ひ廻せば」 類:●おためずく●お為づくし●お為顔●上手ごかし ★「ごかし」は、動詞「転(こ)かす」が名詞化して濁ったもので、誤魔化(ごまか)す意。 用例の出典:祇園女御九重錦(ぎおんにょうごここのえにしき) 浄瑠璃。時代物。5段。若竹笛躬、中邑阿契作。宝暦10年(1760)大坂豊竹座初演。三十三間堂の縁起、親鸞上人の弟子横曾根半太郎のこと、平忠盛の活動などを題材として脚色した。三段目だけが「三十三間堂棟由来」の外題で、たびたび上演される。「三十三間堂」。
・小田原評定(おだわらひょうじょう)
・おだをあげる 勝手なことを得意になって言う。何人か集まって得意になって勝手なことを言う。無駄話に気炎を上げる。 ★「おだ」は、「おだわらひょうじょう(小田原評定)」の略か<国語大辞典(小)>
・おたんちん・おたんこなす 鈍間(のろま)、間抜けという意味で使われる、嘲(あざけ)りの言葉。 ★諸説あるが、遊里言葉の「短珍棒」に「御」が付いたものからかという。これから、同様の意味の「御短小茄子」と言ったものか。