−おう(ou)−
・横行闊歩(おうこうかっぽ) 大威張りで歩くこと。また、無遠慮に、我が物顔に振る舞うこと。
・王侯将相寧ぞ種あらんや(おうこうしょうしょういずくんぞしゅあらんや) 王侯、将軍・宰相になるのは家系や血統によるのではなく、才能、努力などによるものである。秦の陳勝(ちんしょう)が兵を起こしたときに用いた言葉。 出典:「史記−陳勝世家」「壮士不死即已、死即挙大名耳、王侯将相寧有種乎」
・王侯に事えずその事を高尚にす(おうこうにつかえずそのことをこうしょうにす) 王侯に仕官せず、世を避けるように隠居しながらも、志を高く清く保って節操を曲げない。 出典:「易経−蠱卦」「上九、不事王侯、高尚其事」
・黄金時代(おうごんじだい) 1.古代ギリシア人が人類の歴史を金、銀、銅、鉄の四期に分けたものの第一期。平和で、人は満ち足りた、安楽な生活を送るという理想的な時代と信じられた。 ★英golden ageの訳語<国語大辞典(小)> 2.国・民族・個人の生涯などで、最も栄えて華やかだった時期。 類:●最盛期●百花繚乱
・王佐の才(おうさのさい) 王を補佐することのできる才能という意味で、やがては宰相たるべき優れた才能のこと。 出典:「漢書」
・往生際(おうじょうぎわ) 1.死に際。死ぬ間際。また、そのときの様子。2.追い詰められてどうしようもなくなった状態。また、その時の態度。 例:「往生際が悪い」
・圧状ずくめ(おうじょうずくめ)[=往生ずくめ] 人を威圧して強引に承諾させ無理矢理書かせた文書という意味から、脅して無理矢理に、何かをさせること。 類:●無理往生
・往生する(おうじょうする) 1.現世を去って他の仏の浄土に生まれること。特に、極楽浄土に往って蓮華の中に生まれ変わること。 用例:霊異記−上・二三「父母に孝養すれば、浄土に往生す」 2.死ぬ。3.すっかり諦(あきら)めて行動をやめる。 用例:滑・膝栗毛−三「かたりにあったとおもって往生して払ひやせう」 4.どうにもしようがなくなって、困る。 類:●閉口する 例:「外国人からの電話で往生した」 用例の出典:日本霊異記(にほんりょういき) 仏教説話集。3巻。僧、景戒著。弘仁14年(823)前後に成立。雄略朝から嵯峨朝に至る因果応報説話116篇を、ほぼ年代順に漢文体で記述。日本最古の説話集。正称は『日本国現報善悪霊異記』。単に『霊異記』とも。
・応接に暇あらず(おうせつにいとまあらず) 応接に追われ通しで暇がないこと。転じて、ものごとが次から次へと立て続けに起こり、非常に忙しい様子。 出典:「世説新語−言語」
・負うた子に教えられて浅瀬を渡る(おうたこにおしえられてあさせをわたる) 時には自分より未熟な者から教えられることもある。 類:●三つ子に習って浅瀬を渡る
・負うた子より抱いた子(おうたこよりだいたこ) 人情の常として、離れている者よりも身近の者を優先する。 類:●負う子より抱く子
・会うた時に笠脱げ(おうたときにかさぬげ) 知人に出会ったらすぐ笠を脱いで挨拶せよという意味から転じて、良い機会は逃がさず利用せよということ。 ★「あう」は「おう」と発音<国語大辞典(小)>
・椀飯振舞い(おうばんぶるまい) 1.江戸時代、正月に民家で親類縁者を招いて催した宴。平安時代には、公卿たちが殿上(てんじょう)に集まったときの持て成しを指した。 類:●大饗応●盛饗 2.御馳走や祝儀などを、気前良く施(ほどこ)すこと。盛大な持て成し。 類:●大盤振舞い ★のちに誤って「大盤(おおばん)振る舞い」と書かれることが多い<大辞林(三)>
・近江泥棒に伊勢乞食(おうみどろぼうにいせこじき) 近江商人はがめつく、伊勢商人はけちだということ。抜け目のない近江商人と倹約家の伊勢商人とを、やっかみ半分に罵(ののし)っていう言葉。 ★江州人の抜け目のなさ、伊勢人の節倹が、江戸の商権を制圧して行くのに対する江戸人の反感が生んだ語。
・鸚鵡返し(おうむがえし) 人の言った言葉や、しぐさを、そっくり真似して返すこと。
・鸚鵡能く言えども飛鳥を離れず(おうむよくいえどもひちょうをはなれず) 鸚鵡は人の言葉を真似られるが所詮は鳥でしかない。転じて、口先ばかり達者で、実際の行動が伴わない者のこと。 出典:「礼記−曲礼・上」「鸚鵡能言、不離飛鳥、猩猩能言、不離禽獣」
・往を彰わして来を察す(おうをあらわしてらいをさっす) 過去の事柄を明らかにし、それを元として将来のことを推察する。それこそが「易」の教えである。 類:●温故知新 出典:「易経−繋辞・下」「夫易、彰往而察来」
・往を章らかにし来を考う(おうをあきらかにしらいをかんがう) 過去のことを良く検討して、将来のことを考えよということ。 出典:「文選−杜預・春秋左氏伝序」「所以章往考来、情見於辞」