−おを(owo)−
・尾を塗中に曳く(おをとちゅうにひく)[=泥中(でいちゅう)に〜] 亀は、殺されてその甲羅を「神亀」として大切に扱われるより、泥の中で尾を引き摺ってでも生きていたいだろうとういこと。貧しくとも田舎に引っ込んで心穏やかに暮らす方が、宮仕えで色々と拘束されるより良いという喩え。 ★荘子が、楚(そ)から宰相にと望まれたときに答えたとされる言葉。 出典:「荘子−秋水」「吾聞楚有神亀、死巳三千歳矣、王巾笥而蔵之廟堂之上。此亀者、寧其死為留骨而貴乎、寧其生而曳尾於塗中」
・尾を引く(おをひく) ものごとが過ぎ去ってもその名残りが後まで続く。また、後に影響を及ぼす。 例:「酒が尾を引く」
・尾を振る(おをふる) 犬が尾を振るように、強い者などに愛敬を振り撒く。喜んで付き従う。
・尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず) 杖を振り上げて折檻(せっかん)しようとしても、尾を振って擦り寄ってくる犬は、可愛くて打てない。縋(すが)ってくる者には残酷な仕打ちはできないという喩え。 類:●杖の下から回る犬は打てぬ●窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
・尾を巻く(おをまく) 犬は逃げるとき尾を巻くところから、逃げ出すこと。また、具合が悪くなって、手掛け始めていたことから手を引く。 類:●尻尾を巻く
・尾を見せる(おをみせる)[=現わす・出す] 人目を誤魔化していた実態を表面に現わす。化けた狐などが正体を現わすのに喩えた表現。 類:●尻尾を出す●化けの皮が剥がれる●襤褸(ぼろ)を出す