−ろく(roku)−
・六一銀行(ろくいちぎんこう) 「六」と「一」を加えると「七」になるところから、質屋をいう俗語。 類:●一六銀行
・六月無礼(ろくがつぶれい) 陰暦六月は暑さが厳しい時季なので、服装が少々乱れる無礼も許されるということ。
・鹿死誰手(ろくしすいしゅ) 《四熟》 天下は、まだ誰が統一するか分からない。勝敗が決まらない状態をいう。 ★「鹿」は、天子の位の喩え。→中原の鹿 出典:「晋書−石勒載記・下」「当並驅于中原、未知鹿死誰手」
・六尺(ろくしゃく)[=陸尺] 1.貴人の駕籠(かご)を担ぐ人足。また、一般には駕籠舁(かごかき)。2.江戸城中において、走り使いや水汲みなどを務めた下男。また、町方の家で雑用に使われる者。 類:●下男●下僕 3.あちこちと雑貨品を売り歩く男たち(日葡辞書)。 ★「力者(りょくしゃ)」の変化という<大辞林(三)>
・六十にして耳順う(ろくじゅうにしてみみしたがう) 六十歳の異称。孔子が六十歳のとき、人の言葉を素直に聞くことができるようになったということから。 類:●耳順 出典:「論語−為政」「六十而耳順」
・六十にして六十化す(ろくじゅうにしてろくじゅうかす) 1.六十歳になったら、過去五十九年間の己の非を悟るべきだということ。年を取ったからこといって、凝り固まらず、なお向上を目指しなさいということ。 出典:「荘子−雑篇・則陽」「キョ[草/遽]伯玉、行年六十而六十化」 2.六十歳になっても、まだまだ変化・向上する余地は残されているということ。
・六十の手習い(ろくじゅうのてならい) 1.六十歳で習字を始めること。年を取ってから学問を始めること。晩学であることの喩え。 類:●It is never too late to learn. 2.年老いてから、技芸を習得しようと何かをし始めること。 例:「六十の手習いでパソコンをいじり始めました」
・六十の三つ子(ろくじゅうのみつご) 年を取ると幼児に戻るようであることの喩え。
・碌すっぽ(ろくすっぽ)・碌ずっぽ 下に打消しの言葉を伴って、ものごとを満足に成し遂げないことを表わす言葉。まともに。 類:●碌に●碌碌●碌すっぽう 例:「ろくすっぽ手紙もよこさない」 用例:俳・文政句帖−七年一一月「六ズッポ返事さへせぬはつ鰹」 ★「碌」は当て字<国語大辞典(小)> 用例の出典:文政句帖(ぶんせいくちょう) 句集。小林一茶。文政5年(1822)。・・・詳細調査中。
・六段目(ろくだんめ) 1.古浄瑠璃は六段形式で構成され、六段目が最後であるところから、最後のこと。 類:●終末 2.浄瑠璃の六段目。特に、「仮名手本忠臣蔵」の六段目、勘平切腹の段のこと。
・六突き(ろくづき・ろくつき) 1.九十六文を一差しとして、百文に通用させること。丁百(ちょうひゃく)に対する九六銭(くろくぜに)の勘定。 類:●九六銭 2.転じて、ものごとを好い加減に済ますこと。誤魔化(ごまか)すこと。 用例:浮・宇津山小蝶物語−四「入聟の肝煎あまた来れども、六づきに談合しちらかしおいて」 用例の出典:宇津山小蝶物語(うつのやまこちょうものがたり?) 浮世草紙。森田吟夕。8冊。宝永3年(1706)。・・・詳細調査中。
・碌でなし(ろくでなし) まともでないこと。また、その人。役に立たないのらくら者。 類:●道楽者 ★「碌」は当て字。⇒陸<国語大辞典(小)> ★「陸(ろく)」の原義は、陸地のように平らであること。→ものごとの様子や性質が正しいこと。まともであること。
・碌でもない(ろくでもない)・碌なものじゃない 無意味で、なんの値打ちもない。つまらない。 例:「碌でもない男とばかり付き合う」
・碌に居る(ろくにいる)[=座る] 1.身心が安楽にある。寛(くつろ)いで楽な姿勢で座る。胡座(あぐら)を掻く。 用例:狂言・布施無経「迚の事にゆるさせられい。碌にゐませう」 2.きちんと座る。正座する。 ★「直」「完」とも書く。「陸」の呉音による語で、陸地のように平らであるというのが原義。「碌」は当て字<国語大辞典(小)> 用例の出典:布施無経(ふせないきょう) 狂言。各流。檀家で経をあげた僧は、いつもの布施が出なかったので、事に託(かこつ)けて何度も立ち戻り、布施のことを漸(ようや)く思い出させる。
・碌盗人(ろくぬすびと・ろくぬすっと) 才能や功績がなく、また、職務に忠実でもなく、高い俸禄を受けている者を罵(ののし)る言葉。 類:●給料泥棒
・鹿鳴之宴(ろくめいのえん) 1.中国唐代、州県の官吏登用試験に及第して都に上る人のために、その郡県の長吏が開く壮行の酒宴。 ★「詩経」の「小雅・鹿鳴」の詩を歌うところからいう<国語大辞典(小)> 2.群臣賓客を迎える宴会。賓客を持て成す酒宴。
・六弥太(ろくやた) 豆腐のこと。 類:●弥太 ★豆腐を女房詞で「おかべ」というところから、源義経の家臣、岡部六弥太に掛けて言ったもの。 
・轆轤首(ろくろくび・ろくろっくび) 1.首が非常に長くて、自由に伸び縮みするという化け物。また、その見世物。 類:●抜け首 2.首を長くして待つ喩え。
・禄を盗む(ろくをぬすむ) 功績や才能などがないくせに高禄を受けること。
・禄を食む(ろくをはむ) 禄(=官に仕える者に下付される給与)を受ける。 類:●官途に就く