−ろう(rou)−
・労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし) 苦労ばかりが多くて効果が少ない。苦労の割りに得るものが少ない。
・陋屋(ろうおく) 1.狭くてむさ苦しい家。粗末な家。2.自分の家を遜(へりくだ)っていう言葉。 類:●蓬屋●埴生の宿
・浪花(ろうか) 1.砕けて白い花のように見える波。波の花。2.「浪花(なにわ)」の音読みで、大阪のこと。
・廊下鳶(ろうかとんび) 妓楼(ぎろう)で遊客が、遊女が来るのを待ち侘(わ)びて廊下をうろつき回ったり、他の部屋を冷やかしたりして歩くこと。また、そのように廊下をうろつく人。
・老驥櫪に伏すとも志千里に在り(ろうきれきにふすともこころざしせんりにあり)[=千里の志・千里を思う] 駿馬(しゅんめ)は老いて厩(うまや)に繋(つな)がれても、なお千里を走ることを思うということ。英雄や俊傑は老いてもなお志を高く持って、英気が衰えないということ。 出典:「三国志−曹操−碣石篇」・杜甫 人物:曹操(そうそう) 中国、三国時代魏の始祖。155〜220。字は孟徳。その子文帝の時、太祖武皇帝と追尊。後漢に仕え、黄巾の乱の討伐に功があり、献帝を擁立して華北を手中にした。後、赤壁の戦いに大敗したが、孫権、劉備と共に天下を三分した。屯田制・兵戸制・戸調制などの諸制度を確立。
・老犬虚に吠えず(ろうけんきょにほえず) 老犬が吠えるのには訳がある。歳を取った人の警告には、素直に耳を傾けるべきだということ。 類:●老馬の智
・老骨に鞭打つ(ろうこつにむちうつ) 老人となって衰弱している身体を、強く励ますようにして、ものごとに当たる。
・労して功無し(ろうしてこうなし) 骨を折るばかりで、その効果がない。 類:●労多くして功少なし 出典:「荘子−外篇」「猶推舟於陸、労而無功」
・狼子野心(ろうしやしん) 狼の子は、いくら飼い慣らそうとしても野生の心を失わず、 その飼い主に危害を加えようとする。 類:●野心
・弄璋(ろうしょう) 「璋」は玉のこと。男子が生まれること。 例:「弄璋の喜び」 出典:「詩経−小雅・斯干」「乃生男子、載寝之牀、載衣之裳、載弄之璋」
・老少前後す(ろうしょうぜんごす) 老人が先に死んで、若人が後まで生きるとは限らないということで、人の命は儚くて、いつ死ぬか明らかではない。
・老少不定(ろうしょうふじょう) 仏教用語。人間の寿命は分からないもので、老人が早く死に、若者が遅く死ぬとは限らないということ。 出典:観心略要集(かんじんりゃくようしゅう) 仏教書。1巻。(僧)源信著。寛仁元年(1017)。・・・詳細調査中。
・狼藉(ろうぜき) 1.多くの物が散乱していること。秩序なく入り乱れていること。取り散らかしてあること。 類:●乱雑 例:「落花狼藉」 出典:「史記−滑稽列伝・淳于」「杯盤狼籍、日暮酒闌、合尊促坐、男女同席」 狼が草を藉(し)いて寝た跡の乱れた様からいう。  2.無法な態度や行為をすること。乱暴を働くこと。また、そのような振る舞い。 類:●非道●無法●不埒 例:「狼藉者」「狼藉を働く」 ★「狼」は乱れる・悖(もと)る、「藉」は乱雑な様子を表わす<国語大辞典(小)>
・蝋燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす) 蝋燭は溶けて小さくなりながら人を明るく照らす。自分を犠牲にして、人のために尽くす喩え。 類:●A candle lights others and consumes itself.
・壟断(ろうだん)
・籠鳥雲を恋う(ろうちょうくもをこう) 籠の中で飼われている鳥は、大空に浮かぶ雲に憧れるものである。 1.自由に憧れること。 出典:「怺冠子−世兵」「一目之羅、不可以得雀、籠中之鳥、空窺不出」 2.遠く離れた故郷を懐(なつ)かしく思うことの喩え。
・郎党(ろうどう・ろうとう)[=郎等] 1.従者。身分的に主人に隷属する従僕のこと。2.平安末期・鎌倉時代の武家社会で、主人と血縁関係のない従者。主人と血縁関係のある家の子とは区別していう。 例:「一族郎党を引き連れる」 3.一般に、武士の家来。 類:●従僕●召し使い
・老若男女(ろうにゃくなんにょ) 老人も若者も男も女も、という意味で、性別や年齢で区別されない全ての人たちのこと。
・浪人(ろうにん) 1.律令国家における浮浪人のこと。調庸(ちょうよう=貢ぎ物と労役)の負担に耐え兼ねて耕作を放棄し、本籍地から逃亡した農民。2.主家の没落などによって主従関係を断ち、代々の家禄その他の恩典を失った武士。仕官していない武士。3.牢に入れられた者。 ★「牢人」とも書く<国語大辞典(小)> 4.進学や就職に失敗し、次の機会を待ってその準備などをしている人。また、そういう状態。 反:■現役 例:「二年浪人してやっと志望校に入る」
・狼狽(ろうばい) 思い掛けない出来事に慌てふためくこと。どうして良いか分からず、うろたえて騒ぐこと。 例:「周章狼狽する」 出典:「酉陽雑俎−16」、「字彙」 出典:字彙(じい) 中国の字書。明の梅膺祚(ばいようそ)撰。1615年刊。12集。ほかに首・尾の2巻。今日の漢和辞典の筆画数による配列の方法はこの『字彙』に始まる。 ★「狼」も「狽」もオオカミの一種。「狼」は前足が長く後足は短いが、「狽」はその逆で、常にともに行き、離れれば倒れ、慌てうろたえるというところから<国語大辞典(小)>
・老婆心(ろうばしん) 年取った女が、度を過ぎて心配する気持ちという意味で、必要以上に世話を焼こうとする気持ちをいう。 類:●老婆心切(ろうばしんせつ) 例:「老婆心から言わせてもらえば…」 出典:「伝燈録」
・老馬の智用うべし(ろうばのちもちうべし) 経験の豊かな者は、ものごとの方針を誤らないものである。老人の知識は、大事にすべきものだということ。 類:●老いたる馬は路を忘れず●老馬途を識る 故事:「韓非子−説林・上」「迷惑失道、管仲曰、老馬之智可用也」 昔、斉(せい)の管仲(かんちゅう)が桓公(かんこう)に従って雪の中で道に迷ったとき、老馬を放って、その後に着いていって道を得た。
・廊廟の器(ろうびょうのうつわ) 廊廟に立って、天下の政事を執(と)るほどの器量。宰相となるべき人物。 参考:廊廟(ろうびょう) 表御殿の意で、朝政を執る殿舎のこと。
・ローマは一日にして成らず(ろーまはいちにちにしてならず) 小都市国家だったローマが大帝国になるには、半世紀もの歳月を要した。なにごとも、時間と努力なしには成し遂(と)げることができないという喩え。 類:●大器晩成●Late fruits keep well.(遅くできる果物は長くもつ)<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典> ★英語の諺Rome was not built in a day.の訳だが、出典は「ドン・キホーテ」。 出典:ドン・キホーテ(どん・きほーて) 長編小説。ミゲル・デ・セルバンテス。1605年、及び15年(続編)。騎士道物語を耽読して誇大妄想に取り付かれ、痩(や)せ馬のロシナンテに乗って騎士修行に出掛けたドン・キホーテと、従者サンチョ・パンサが現実に直面して引き起こす滑稽な冒険の数々を描いたもの。スペイン語の原題は、「El ingenioso hidalgo DonQuijote de la Mancha」。
・老耄(ろうもう) 「老」は七十歳、「耄」は八十・九十歳の老人のこと。老い耄(ぼ)れること。 類:●耄碌
・浪浪(ろうろう) 1.水などが流れること。雨が降り続く様子。また、その音。2.当て所(ど)もなく彷徨(さまよ)い歩くこと。流離(さすら)うこと。 類:●流浪 3.定職がなくぶらぶらしていること。浪人であること。 例:「浪々の身」
・隴を得て蜀を望む(ろうをえてしょくをのぞむ)
・労を惜しまない(ろうをおしまない) 骨折りを厭(いと)わずに、懸命に働く、努力すること。
・労を多とす(ろうをたとす) 労苦を評価するという意味で、相手の労を労(ねぎら)い、謝意を表わす。また、助力に感謝する。
・労を執る(ろうをとる) 特定の人のために態々(わざわざ)何らかの働きをする。役を務(つと)める。 類:●骨を折る 例:「仲介の労を取る」