−さく(saku)−
・策士策に溺れる(さくしさくにおぼれる) 策士は、自分の才能を鼻に掛けるあまり、謀(はかりごと)を用い過ぎて、却(かえ)って失敗しがちである。 類:●才子才に倒れる
・昨非今是(さくひこんぜ) 境遇や考え方が変わって、昨日悪いと思ったことが今日は正しいと思われること。 出典:陶潜(陶淵明)「帰去来辞」「実迷途其未遠、覚今是而昨非」
・桜(さくら) 1.江戸時代の劇場で、頼まれて役者に声を掛ける者などを入れるための特別の桟敷(さじき)。また、その者。 類:●太郎桟敷 ★芝居と違って桜は只で見ることができ、その「只で見る」の意から芝居の無料見物人の意となり、そこから生じたという。 2.露店などの業者の仲間で、客を装って品物を買ったり褒めたりして他の客の購買心をそそる者。また一般に、馴れ合いをいう俗語。 類:●回し者●手の者 例:「夜店のさくら」 ★桜が咲くと人が集まるから、または、散々賑わしておいてパッといなくなるのが桜が散るのに似ているから、という。 ★「偽客」という字を当てることもある。
・桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿(さくらきるばか、うめきらぬばか) 桜は、枝を切ると切り口から細菌が入って枯れ易く、梅は、剪定しないと枝が伸びて花が咲かなくなる。同じ切るにしても、どの木は切ってはいけないか、どの木は切った方が良いかを知らない者は馬鹿だということ。
・探りを入れる(さぐりをいれる) 相手の様子を、または、隠していることなどを探ろうとして、それとなく聞いてみる。 類:●鎌を掛ける
・簀を易う(さくをかう) 学徳のある人の死や賢人の死を敬って言う言葉。 故事:「礼記−檀弓・上」「我未之能易也、元起易簀」 孔子の弟子の曾子は、死ぬ前に病床の大夫用の簀(すのこ)を、身分不相応だとして、童子の元(げん)に易(か)えさせた。 類:●易簀
・策を巡らす(さくをめぐらす) 謀(はかりごと)をあれこれと行き渡らせるという意味で、ある目的を遂げるために様々な工夫を凝らすこと。 類:●策を講ずる
・策を弄する(さくをろうする) 不必要な策、もしくは不純な策を好んで用いること。