−さん(か)(san2)−
・三界に家なし(さんがいにいえなし)[=は所なし] どこにも安住の場所がない。 例:「女は三界に家なし」 参考:三界(さんがい) 心を持つ者が存在する欲界・色界・無色界の三つの世界。この世。
・三界の火宅(さんがいのかたく)[=家] 苦しみの絶えない人間界を煩悩(ぼんのう)の火に焼かれる家に喩えた言葉。 出典:「法華経−譬喩品」「三界無安、猶如火宅」
・三界の首枷(さんがいのくびかせ) この世の苦悩から逃れることを妨げるもの。断ち難いこの世の愛着や苦悩。 例:「子は三界の首枷」
・山海の珍味(さんかいのちんみ)[=珍・珍物] 山や海の産物から作った珍しい味の食べ物。転じて、色々な料理が取り揃えられた御馳走。豪華な料理のこと。
・三界流転(さんがいるてん) 仏教用語。衆生の霊魂が三界に迷い、何度も生死を繰り返すこと。 類:●三界の苦輪●三界輪廻
・山高水長(さんこうすいちょう) 仁者や君子の徳が長く伝わるのを、山がいつまでも高く聳(そび)え、水が永久に流れ続けることに喩えたもの。または、徳が山のように高く、人民を潤すことが川のように広いということ。 類:●山高く水長し
・三国一(さんごくいち) 1.日本・唐土(もろこし=中国)・天竺(てんじく=インド)の三国の内で、第一位である。比喩的に、世界で最も優れているということ。 類:●世界一 用例:義経記−八「三国一の剛の者」 ★室町時代の流行語<広辞苑第4版(岩)> 2.婚礼の席などで、世界一の意に用いて婿(むこ)や嫁を褒(ほ)め称(たた)えて言う言葉。 例:「三国一の婿殿(花嫁)」 3.江戸初期に流行した祝宴の席で歌う小唄。また、その歌詞の一部。「三国一じゃ○○○○になりすまいた、しゃんしゃんしゃん」と歌う。4.「一夜造り」の意味から、甘酒の異称。 ★駿河・甲斐・相模三国一の名物である富士山が一夜でできたという伝説による。
・三五の十八(さんごのじゅうはち)[=二十五] 3と5を掛けると正しくは15であり、18や25ではないところから、計画や予想が外れること。主に、商売上の見込みが、実際とは合わないこと(実際より悪いこと)。 用例:浮・胸算用
−一「何ほど利発才覚にしても若き人には三五の十八、ばらりと違ふ事数々なり」
・三顧の礼(さんこのれい)