−さん(な)(san5)−
・算無し(さんなし) 数限りない。非常に多くて数え切れない。 類:●無数
・三人行くときは、必ず我が師あり(さんにんいくときは、かならずわがしあり)[=行なえば〜] 三人で行動を共にすれば、自分の手本となる人が一人いて、自分の戒(いまし)めとなる人が一人いる。そこに自分の師を見出したことになるということ。善い方を選んでは「師」としてこれに倣(なら)い、善くない方を選んでは「反面教師」として己の戒めとする。 出典:「論語−述而」「子曰、我三人行、必得我師焉、択其善者而従之、其不善者改之」
・三人市虎を成す(さんにんしこをなす)[=虎を成す] 事実無根の噂や風説でも、言う人が多ければ、終(つい)に信ずるようになる。また、存在しないことや偽りなどが、実(まこと)しやかに言われること。 類:●市に虎あり●市に三虎を致す●曾参人を殺す 出典:「淮南子・説山」
・三人旅の一人乞食(さんにんたびのひとりこじき) 三人で何かすると、とかく一人が除(の)け者扱いされて嫌な思いをすることが多いということ。 類:●一人旅するとも三人旅するな
・三人寄れば公界(さんにんよればくがい) 人が三人集まれば、そこはもう公(おおやけ)の場所となるということ。そこで言ったりしたりしたことは、もう秘密にはならない。。 類:●三人寄れば人中(ひとなか)
・三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ) 「文殊」は知恵を司(つかさど)る菩薩のこと。凡人でも三人集まって相談すれば、なんとか良い知恵が浮かぶものだということ。 反:■船頭多くして船山に登る
・三年飛ばず鳴かず(さんねんとばずなかず) 久しく隠忍して他日に期すること、雄飛(ゆうひ)の機会を待って長い間雌伏(しふく)すること。 類:●鳴かず飛ばず●雌伏 故事:「史記−楚世家」 春秋時代、楚の荘王が三年間酒色に耽(ふけ)って政治を顧みないのを臣下が諫(いさ)めると、王は「飛べば天まで上がり、鳴けば必ず人を脅(おびや)かすろう」と答えたという。そして、喪が明けたとき、その言葉の通り大幅な家臣の粛清(しゅくせい)を行なった。 出典:「呂氏春秋−重言」・「史記−楚世家」・「史記−滑稽伝・淳于」など。
・残念閔子騫(ざんねんびんしけん) 「残念」を洒落て言う言葉。その音が似ているところから孔子の門弟十哲として有名な「顔淵(がんえん)」に掛けて、同門の閔子騫と続けて語呂を合わせたもの。地口(じぐち)の類。文化年間(1804〜1818)に流行した。 用例:洒・辰巳之園「是は残念閔子騫」
人物:顔回(がんかい)・顔淵(がんえん) 中国、春秋時代の儒者。魯の人。前523〜前490。字は子淵。孔子の第一の門弟。貧窮の生活にあったが、学徳共に優れ、後世「復聖」と称(たた)えられた。29歳のときに髪の毛が全て白髪になり、32歳で没した。孔子をして「賢なるかな回や。一箪の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人は其の憂いに堪えず、回や其の楽しみを改めず。」と言わしめた。
・三年塞がり(さんねんふさがり) 古暦にいう大将軍(陰陽道の八将神の一つ)の俗称。転じて、当分の間、開運や成功の見込みがないこと。 参考:大将軍 東西南北の四方に三年ずつ滞留し、その方角を塞いでいるとされ、この神が坐(おわ)す方位を三年間忌むる。
・三年三月(さんねんみつき) 長い年月のこと。久しい期間のこと。