−さん(は)(san6)−
・三拝九拝(さんぱいきゅうはい) 1.三拝の礼と九拝の礼。2.何度も繰り返し礼拝して、敬意を表わすこと。転じて、何度も頭を下げて人に何かを頼むこと。3.手紙文で、末尾にしるして深い敬意を表わす挨拶(あいさつ)の言葉。
・三百代言(さんびゃくだいげん) 1.ここでの「三百」は低級の意味。明治初期、代言人(弁護士)の資格を持たないで、他人の訴訟や談判などを取り扱った者。もぐりの代言人。また、弁護士を罵(ののし)って言う言葉。2.転じて、詭弁を弄(ろう)すること。また、その人。
・三拍子揃う(さんびょうしそろう) 1.三つの必要な条件が巧く揃うということ。全ての条件が備わる。何もかも完全に備わる。2.三つの悪癖が備わる。酒を飲む、博打(ばくち)を打つ、女を買うの悪行が備わる。 例:「飲む打つ買うの三拍子」
・三一(さんぴん) 1.賽子(さいころ)遊びなどで3と1の目が出ること。2.「三一侍(さんぴんざむらい)」「三一奴(さんぴんやっこ)」の略。身分の低い侍を卑(いや)しめて呼んだ言葉。 類:●三両侍 ★江戸時代の最下級武士の1年の給与が、三両一人扶持(現金3両と1日あたり5合の米)だったところから。 ★武士の俸禄の最低が「三両一人扶持」だったのは享保(1716〜36)頃の話で、文政(1818〜30)頃には「四両一人扶持」になっていた。 ★「ぴん」はポルトガルpinta(点の意)の変化か<国語大辞典(小)>
・三釜の養(さんぷのよう) 三釜ばかりの乏(とぼ)しい食禄(しょくろく)であっても、親に孝行を尽くすことの喩え。 類:●菽水の歓 ★「一釜」は、中国で6斗4升、日本で4升(7.2リットル)のこと。 故事:「荘子−寓言」 曾子(そうし・曾参)は、親の生きている間は貧しい給料でも孝養を尽くすことができて楽しかったが、その後出世して三千鍾(三万釜)の高禄を得るようになった時は、親がこの世にいなくて孝養が尽くせず悲しかったと言った。
・三平二満(さんぺいじまん) 1.「三」「二」は数が少ないことを表わす。三でも平安、二でも満足という意味で、満たされない状況にあっても、心が平安で満足していること。2.額や鼻、頬などの起伏が普通でない顔。また、醜い顔の女をたとえていう言葉。 類:●阿亀●おかちめんこ●阿多福  参考:平らな部分、三箇所については、「額・鼻・顎」とも、「目・鼻・口」とも、「両頬(ほお)・鼻」ともいい、ふくらんだ部分、二箇所については、「額・頬」とも、「額・顎」とも、両頬とも言い、諸説ある。
・三遍回って煙草にしょ(さんべんまわってたばこにしょ) 夜回りを3度回ってから休憩を取ろうという意味で、念には念を入れてやってから休むことにしようということ。また、休むことばかり考えていないで、手抜かりがないようにしっかりやりなさい、ということ。
・三歩下がって師の影を踏まず(さんぽさがってしのかげをふまず) 弟子が師に随行する時、三尺離れて影も踏まないようにするということで、弟子は師を尊敬し、礼儀を忘れてはならないという戒め。 類:●三尺去って師の影を踏まず