−さら(sara)−
・晒し者になる(さらしものになる) 江戸時代、罪人を広く世の人の目に触れるようにした刑罰を「晒し刑」といったところから、人前で恥を掻かされること。
・皿嘗めた猫が利を負う(さらなめたねこがりをくう) 魚を食った猫は逃げてしまって捕らえられずに、後から行って皿を舐めた猫が罪を背負い込む。転じて、大悪人や主犯は捕まらずに、小物や従犯だけが罰を受けることの喩え。 類:●米食った犬が叩かれずに糠食った犬が叩かれる●笊舐めた犬が科被る
・ざらに 同類がいくらでも有って珍しくない様子。その物がありふれている様子。 用例:洒・初葉南志「だれのかれのといふ事はない紀文殿はざらさ栄三殿もお珍らしくちとお出なさい」 例:「こんな逸品はざらにない」 ★もと、「ざら」は「ばら銭」の意でどこにでもたくさん有る意から<新明解国語辞典(三)> 参考:散銭(ばらせん) 細かい銭(ぜに)。小銭。ばら。ざら銭。 参考:ざら銭(ざらせん) 緡(さし)に通さない、ばらばらの銭。また、数枚の銭。ばらせん。 用例の出典:初葉南志(??ばなし?) 洒落本。・・・調査中。
・然らぬだに(さらぬだに) そうでなくてさえ。唯でさえ。 類:●然なきだに 用例:栄花−浦々の別「さらぬだにかかる世の中に」
・然らぬ体(さらぬてい) なんでもないような様子。素知らぬ振り。 用例:平家−11「涙おしのごひ、さらぬていにもてないて申しけるは」
・避らぬ別れ(さらぬわかれ) 避けることのできない別れ。死別。 用例:伊勢−84「老いぬればさらぬ別れのありと言へば」