−せき(seki)−
・積悪の家に必ず余殃あり(せきあくのいえにかならずよおうあり) 悪事を積み重ねてきた家には、その報いとして必ず禍(わざわい)がやってくるということ。 参照:「説苑−説叢」「積善之家、必有余慶、積悪之家、必有余殃」・「易経−坤・文言」「積善之家必有余慶、積不善之家必有余殃」 出典:説苑(ぜいえん) 中国の儒家書。20巻。前漢の劉向(りゅうきょう)撰。訓戒とすべき故事・伝説類を集め、君道・臣術・建本・立節・貴徳・復恩など20に分類したもの。宋代に散佚していたのを曾鞏(そうきょう)が復元。
・積悪の余殃(せきあくのよおう) 悪事を重ねてきた結果として、子孫にまで及ぶ報(むく)い。
・席暖まるに暇あらず(せきあたたまるにいとまあらず) 席が暖まる暇がないという意味で、ひとところに落ち着いている暇がないほど忙しく奔走すること。非常に多忙であること。 出典:「韓愈−諍臣論」「孔席不暇暖」
・積羽舟を沈む(せきうふねをしずむ) 羽のように軽いものでも、たくさん積もれば重くなって舟を沈めるようになる。転じて、小事も積もれば大事になるという喩え。 類:●群軽軸を折る●叢経(そうけい)軸を折る●衆口金を鑠(と)かす●積毀(せっき)骨を銷(しょう)す 出典:「史記−張儀伝」・「淮南子−繆称訓」
・関ヶ原(せきがはら) 1.岐阜県南西端の地名。関ヶ原の戦いの古戦場。2.比喩的に、重大な勝敗がこれで決まるという戦い。運命が決まる大事な場面。勝敗や運命の分かれ目。 類:●天下分け目の関ヶ原●天王山 ★慶長5年(1600)9月美濃関ヶ原で、徳川家康の東軍と石田三成を中心とする西軍とが天下を争ったことによる。
・赤子の心(せきしのこころ) 生まれ立ての子供の心という意味で、汚(けが)れのない純真な心の喩え。 出典:「孟子−離婁・上」「孟子曰、大人者、不失其赤子之心者也」
・赤縄足を繋ぐ(せきじょうあしをつなぐ) 男女が足と足を赤い縄で繋ぐと夫婦になるという「赤縄」の故事から、夫婦になること。 故事:「続幽怪録−四・定婚店」「因問嚢中赤縄子、云此以繋夫婦之足、雖仇家異域、縄一繋之、終不可易」 唐の韋固(いご)という青年が一人の老人に会ったところ、老人が背負っていた袋の中の赤い縄で男女の足を繋げば、どんな間柄でも必ず結ばれて夫婦になると言い、韋固の妻を予言した。 出典:続幽怪録(ぞくゆうかいろく) 異聞集。唐代(中唐)。李復言(李諒)撰(牛僧孺・鄭還古かとも)。「続玄怪録」・・・調査中。
・赤縄子(せきじょうし) 夫婦の縁を結ぶ赤い縄を持っている人の意味から転じて、男女の仲を結び付ける人。仲人(なこうど)のこと。 類:●月下氷人●月下老人●月下老●月下翁 参考:赤縄(せきじょう) 夫婦の縁を結ぶ赤い縄のこと。
・尺進尋退(せきしんじんたい) 少し進んでたくさん退くこと。 類:●寸進尺対
・赤心を推して人の腹中に置く(せきしんをすいしてひとのふくちゅうにおく) 真心をもって全ての他人に接し、少しの分け隔(へだ)てもしないこと。 出典:「後漢書−光武紀・上」「蕭王推赤心置人腹中、安得不投死乎」→「いずくんぞ死に投ぜざるを得んや」<あの人のためなら命を投げ出しても構わない>
・積善の家には余慶あり(せきぜんのいえにはよけいあり)
・尺沢の鯢(せきたくのげい) 見解が狭いこと。尺沢は小さい池。鯢は、サンショウウオということ。 類:●井の中の蛙 出典:宋玉(そうぎょく)の詩「対楚王問(そおうのといにこたう)」 人物:宋玉(そうぎょく) 中国、戦国時代末の楚の文人。作品に「九弁」「高唐賦」「神女賦」などがあり、形式、内容ともに屈原の継承者とされる。生没年不詳。
・跖の狗尭に吠ゆ(せきのいぬぎょうにほゆ) 大盗賊の盗跖(とうせき=中国の春秋時代の名だたる大泥棒)に飼われている犬は、主人でなければ聖人の帝尭(ていぎょう=中国神話時代の五帝と呼ばれているうちの一人)にも吠える。 1.人はそれぞれ主(あるじ)のために忠義を尽くすものだという喩え。 類:●桀の犬堯に吠ゆ 出典:「戦国策−斉」「跖之狗吠尭、非貴跖而賤尭也」 2.悪人の味方をして、聖人・賢人を妬(ねたむ)ことの喩え。
・関の山(せきのやま) 上手(うま)くいってもそれ以上できないという限度・限界。最上の程度。 類:●精一杯●精々 例:「人の足では一日20キロが関の山だ」 ★東海道の宿場町関宿(三重県)の神社のお祭りに出る山車(やま)は大変立派だったが、京都の山車(だし)と比べてしまうと、たいしたものではなかったことから。
・赤貧洗うが如し(せきひんあらうがごとし) 非常に貧しくて、洗い流したように何一つ所有物がない様子。
・席末を汚す(せきまつをけがす) 席に列することを謙遜(けんそん)」していう言葉。 類:●末席を汚す●席を汚す
・席を改める(せきをあらためる) 1.座る場所を変える。2.座敷・会場を変える。 例:「席を改めて一杯やりましょう」
・堰を切る(せきをきる) 川の水が堰を破って流れ出る。転じて、抑えられていたものごとが急激に起こる。ある激しい動作がどっと起こる。 例:「悲しみの涙が堰を切って溢れた」
・席を汚す(せきをけがす) → 席末を汚す
・席を蹴る(せきをける)[=蹴立てる] 荒々しくその場を立ち去る。怒って、そこを立ち去ろうとして立ち上がる。
・席を進める(せきをすすめる) 人と話しているうちに、興が乗ってきたせいで、前に乗り出す。 類:●膝を乗り出す 出典:「史記」
・席を外す(せきをはずす) 1.その場を、一時去る。2.座敷・会場などを途中で出る。 類:●中座する
・席を譲る(せきをゆずる) 1.自分の席を空けて人を座らせる。2.自分がいた地位に他の者が就(つ)く。