−せめ(seme)−
・攻め倦む(せめあぐむ) いくら攻めても効果が上がらずに、嫌になる。攻略するための糸口が掴めずに、弱り果てる。 用例:太平記−一四「いつまでか向ひ居(を)るべきと、責(セメ)あぐんで」
・責め一人に帰す(せめいちにんにきす) 全ての責任は、煎(せん)じ詰めれば、結局、最高責任者一人に帰着(きちゃく)する。
・責め落とす(せめおとす) 1.責めて承知させる。 類:●口説き落とす 用例:落窪−二「後の夜せめおとさんと思ひて」 2.責めて白状させる。拷問に掛けて口を割らせる。 用例:浄・義氏−三「七度八度のとひじゃうをかけ、責おとさせたまへや」 3.責めて追い遣る。責めて罪に服させる。 用例:虎明本狂言・朝比奈「ぢごくへせめおとさうずる」 用例の出典@:義氏(よしうじ) 古浄瑠璃。・・・調査中。 用例の出典A:朝比奈(あさひな) 狂言。各流。閻魔(えんま)王が、朝比奈三郎を地獄へ連れ去ろうとするが、逆に負かされ、脅かされて極楽浄土に案内する。
・鬩ぎ合う(せめぎあう) 1.お互いに恨み合う。敵対し合う。 例:「右派と左派が鬩ぎ合っている」 2.比喩的に、複数のものが、負けまいとするかのように、自分の存在を主張し合う。 例:「恐怖心と好奇心が鬩ぎ合う」
・責め苛む(せめさいなむ) 苛(いじ)め苦しめる。繰り返し惨(むご)く責める。 用例:黄・化物太平記−中「むげんの鐘をつきたるものをせめさいなむ」 例:「後悔の念に責め苛まれる」 用例の出典:化物太平記(ばけものたいへいき) 黄表紙本。十返舎一九作・画。「絵本太閤記(1802完成)」を化物化して焼き直したもの。これにより、一九は50日間の手鎖の罪となった。 参考:絵本太閤記(えほんたいこうき) 読本。7編84巻84冊。武内確斎著。岡田玉山挿絵。寛政9年(1797)〜享和2年(1802)刊。豊臣秀吉の一代を記したもの。