−せん(か)(sen2)−
・詮方知らず(せんかたしらず) どうしたら良いか、為すべき方法が分からない。処置に窮する。
・詮方ない(せんかたない) 1.なすべき手段・方法がない。施(ほどこ)す術(すべ)がない。 類:●どうしようもない 用例:源氏−夕顔「わかびたる人にて、物にけどられぬるなめりと、せむかたなき心地し給ふ」 2.我慢できないほど悲しい。 用例:平家−灌頂「御ありさま見奉るに、あまりにせむかたなうこそ候へ」
・線が太い(せんがふとい) 1.体格的に、がっしりして逞(たくま)しい。2.人間的に、度量がある。また、精神的に、不屈である。或いは、強情である。 反:■線が細い
・線が細い(せんがほそい) 1.体格的に、細身である。2.精神的に繊細である。神経質で、直ぐに気に病む。 反:■線が細い
・千客万来(せんきゃくばんらい・せんかくばんらい) 多数の客が入れ替わり立ち替わり来て、絶え間がないこと。
・千金の裘は一狐の腋にあらず(せんきんのきゅうはいっこのえきにあらず・かわぎぬは〜・かわごろもは〜) 千金の価値のある皮衣は、一匹の狐の腋毛(わきげ)ではできない。国家を治めるには優れた人材を多く集め、衆知を借りるべきであるということの喩え。 出典:「史記−劉敬叔孫通伝・賛」
・千金の子は市に死せず(せんきんのこはいちにしせず) 金持ちの子は、死罪を犯しても金の力で処刑を免(まぬが)れることができるから、市井で死ぬことはない。また、金の力で危険を回避することができるので、悪者の手に掛かって死ぬことはない。世の中は財力でどうとでもなるということ。 出典:「史記−越王勾践世家」、「史記−貨殖伝・序」
・千金の子は坐して堂に垂せず(せんきんのこはざしてどうにすいせず)[=堂陲(どうすい)に坐せず] 金持ちの子は、落ちて怪我することを恐れて堂の端近くには座らない。金持ちの子は、軽率な行動をしないということ。また、重要な地位にある者は、つまらないことのために危険を冒さないものであるということ。 類:●百金の子は衡(こう)に騎(き)せず 故事:「史記−袁孛(えんおう)錯(ちょうそ)列伝」「臣聞、千金之子坐不垂堂、百金之子不騎衡」 前漢の文帝(劉恒)が急な坂を6頭立ての馬車で駆け下りようとしたとき、将軍の袁孛が「英明な君主は、偶然の幸運を頼みにして、危険を冒してはならない」と諌(いさ)めた。
・千金の子は盗賊に死せず(せんきんのこはとうぞくにしせず) 金持ちの子は、盗賊と争うような危険なことはしない。金の力によって、危険から身を守ることができる。 出典:蘇軾「留侯論」
・千鈞も船を得ば則ち浮かぶ(せんきんもふねをえばすなわちうかぶ) 1.千鈞の重さの物でも船があれば浮かべることができる。勢力や地位があれば、愚人でも賢人を制することができるという喩え。2.勢いに乗れば、困難なことでも成功するという喩え。 出典:「韓非子−功名」「千鈞得船則浮、錙銖失船則沈」
・千句一言(せんくいちげん) 千句に匹敵する一言(ひとこと)。千の語句にも相当する重要な一言。 類:●千句に一句
・千軒あれば共過ぎ(せんげんあればともすぎ) 家が千軒もあれば、そこに一つの経済圏が成立して、外に頼らなくても生計を立てていけるものである。 ★「共過ぎ」は、相互に需要と供給の関係を保ちながら生活していくこと。持ちつ持たれつ世渡りをすること。
・先見の明(せんけんのめい)[=識(しき)] ものごとが起こる以前に見抜く見識。将来のことを見通す賢(かしこ)さ。 例:「あの若者には先見の明がある」 出典:「後漢書−楊彪伝」
・千言も一致(せんげんもいっち) 千ほど多くの言葉で言われても、最終的に到達する道理は一つであるという意味から、表現は色々あっても、ものごとの筋道は一つであるということ。
・千言万語(せんげんばんご) 非常に多くの言葉。あれこれと多くの言葉を口にすること。 類:●千言●千言万句 例:「千言万語を費やす」
・線香花火(せんこうはなび) 線香花火が瞬間的なものであるところから、転じて、最初こそ熱心で華々しいけれど、すぐに勢いがなくなってしまうものごとの喩え。 例:「ブームというものは線香花火だ」
・先刻承知(せんこくしょうち) 前々から知っているという意味で、説明や報告を聞く前から、既に事の主旨や事態の内容が分かっているということ。とうの昔から知っている。 類:●言うまでもなく 例:「先刻ご承知の通り」
・千石取れば万石羨む(せんごくとればまんごくうらやむ) 一千石の俸禄(ほうろく)をもらえる身分になると、次は一万石もらう人が羨ましくなる。人の欲望には際限がないことの喩え。 類:●望蜀●隴を得て蜀を求む●思う事一つ叶えばまた一つ
・前後に暮れる(ぜんごにくれる)[=迷う] どうして良いか分からなくなる。 類:●東西を失う●途方に暮れる●五里霧中
・千古不易(せんこふえき) 長年に亘って変わらないこと。永遠に変わらないこと。 類:●万代不易●万世不易●千古不変
・前後不覚(ぜんごふかく) 前後の区別も付かなくなること。正常な判断ができなくなる状態。 類:●正体を失う●前後を忘れる●前後も知らず●前後を失す●前後も分かず●前後を弁(わきま)えず。「前後不覚に泥酔する」
・前後も知らず(ぜんごもしらず)[=分かず・覚えず・弁(わきま)えず] 1.何もかも分からない状態。その場の状況を上手く判断できない様子。2.また、正体がない様子。 類:●前後不覚
・前後を忘れる(ぜんごをわすれる)[=忘(ぼう)ずる・失う・失する] 興奮したり衝撃を受けたりして、自分が置かれている状況が分からなくなる。また、酔ったり眠ったりして正体がなくなる。