−せん(な)(sen5)−
・善に従うこと流るるが如し(ぜんにしたがうことながるるがごとし) 善と見て、躊躇(ちゅうちょ)なくこれに従う様子が、あたかも水が流れるように速(すみ)やかであること。 出典:「春秋左氏伝−成公八年」
・善に強い者は悪にも強い(ぜんにつよいものはあくにもつよい) 善に専心する者は、一旦悪の道に陥(いちい)ると、悪にも専心するものだ。
・先入主となる(せんにゅうしゅとなる・ぬしとなる) 始めに覚えた考え方に固執(こしつ)して、その後の変化について正しい判断理解ができないこと。第一印象に支配されること。 類:●固定観念 出典:「漢書−息夫躬伝」「唯陛下観覧古戒、反覆参考、無以先入之語為主」 ★「先入主」「先入観」の元になった言葉。
・千人斬り(せんにんぎり)・切り 1.腕試しや祈願などのために、千人の人を切り殺すこと。2.(俗語) 特に男が、千人の女性と交わりを持つこと。近頃では逆にも言う。
・千人の指差す所病なくして死す(せんにんのゆびさすところやまいなくしてしす)[=千人の非難に遭えば〜] たくさんの人に後ろ指を差されれば、病気がなくても死んでしまうということ。 反:■千人の誉める所力なくして勝つ 用例:仮・浮世物語−一「千人のゆびさすものはやまひなくして死すと言ふ事あり」 出典:「漢書−王嘉伝」「里諺曰、千人所指、無病而死、臣常為之寒心」
・千人力(せんにんりき) 1.「千人」は、「非常に」の意味。物凄(ものすご)く力が強いこと。また、そういう人。 類:●百人力 2.千人の助力を得たほどに心強いこと。 類:●百人力 用例:浄・心中天の網島「これさへあれば千人力」 例:「君が一緒なら千人力だよ」 3.戦時に、一片の布に千人の男子が「力」の字を一字ずつ書いて、武運長久と無事を祈って出征兵士に贈ったもの。
・善の裏は悪(ぜんのうらはあく) 1.良いことがあれば、必ず、悪いことがそれに付いて回るということ。2.善の反対は悪であるということ。善も一転すれば悪となる。
・千の蔵より子は宝(せんのくらよりこはたから) 財宝を入れた千の倉より、子供の方が大切である。子は最大の財産だということ。 類:●千両蔵より子は宝●万の蔵より子は宝●子に過ぎたる宝なし●子に勝る宝なし 用例:幸若「鎌田」「子に過ぎたる宝なし。千の倉より子は宝」
・善の綱(ぜんのつな) 善所に導く綱という意味で、 1.本尊開帳、常念仏、万日供養などのとき、結縁(けちえん)のため仏像の手などにかけ、参詣者などに引かせる綱。 ★五色の糸を用いる<国語大辞典(小)> 類:●善の縄 2.葬式のとき、棺に付けて引く白布の綱。 類:●縁の綱
・詮の詰まり(せんのつまり) 1.とどのつまり。挙句の果て。結局。2.最後。瀬戸際(せとぎわ)。