−せん(ら)(sen9)−
・千里眼(せんりがん) 千里の先まで見える目。遠方の出来事や将来のこと、また、人の心の奥底を見通す能力。また、その能力を持つ人。 類:●天眼通 出典:「魏書−楊逸伝」「楊使君有千里眼、那可欺之」 出典:魏書(ぎしょ)・後魏書(ごぎしょ) 中国の正史。130巻。北斉の文宣帝のとき、魏収奉勅撰。554年に成立。中国二十四史の一つ。後魏一代の歴史を編年体で記したもので、帝記12巻、列伝92巻、志10巻から成る。「三国志」の魏書(魏志)と区別して「後魏書」ともいう。
・千里同風(せんりどうふう) 1.世間至る所に同じ風が吹くということで、天下太平の世の中の喩え。 類:●万里同風 出典:「論衡−雷虚」「千里不同風、百里不共雷」 2.風俗が、遠くまで同じであること。3.また、逆に、世の中全体が乱れていることにも言う。
・千里に適く者は三月糧を聚む(せんりにゆくものはさんげつかてをあつむ) 千里の遠いところに行く者は、三ヶ月前から食料の準備にかからねばならない。長い人生を生きていくには、予(あらかじ)め、それ相応の修養を積んでおく必要があるということ。 出典:「荘子−内篇・逍遥遊」「適百里者、宿舂糧、適千里者、三月聚糧」
・千里の駒(せんりのこま)[=馬] 一日に千里も走るほどの優れた馬。駿足の名馬。転じて、才芸の傑出した人。 出典:「漢書」
・千里の馬はあれども一人の伯楽はなし(せんりのうまはあれどもひとりのはくらくはなし) 1.名馬はいつの時代でもいるが、その馬を見出して、その能力を発揮させる伯楽はいないものだ。2.転じて、世の中には、いつの時代でも有能な人材はいるが、これを登用し、十分腕を発揮させる名宰相は少ないということ。 出典:「韓愈−雑説・四」
・千里の行も足下に始まる(せんりのこうもそっかにはじまる) 遠い旅路も一歩進むことから始まるように、遠大な仕事も手近なものごとから始まる。 類:●千里の行も一歩より起こる●千里の道も一歩から 出典:「老子−六四」「千里之行、始於足下」
・千里の堤も蟻の穴から(せんりのつつみもありのあなから) 些細なことでも油断していると、大きな災いを招くことがあるということ。 類:●千丈(せんじよう)の堤も蟻の穴より崩れる●蟻の穴から堤も崩れる●It is the last straw that breaks the camel's back.(最後の藁一本が駱駝の背を折る)
・千里万里(せんりばんり・せんりまんり) 1.幾千里も幾万里も離れていること。遥(はる)か遠方のこと。2.考えや、ものごとが甚(はなは)だしく懸け離れていること。 類:●頓珍漢
・千里も一里(せんりもいちり) 惚れた相手の所へ通うときは、遠い道も短く感じられて苦にならない。また、小さいことでも疎(おろそ)かにしてはいけないということの喩え。 類:●千里も遠からず●惚れて通えば千里も一里
・千両役者(せんりょうやくしゃ) 千両の給金を取る役者という意味。 1.格式が高い役者。芸が優れている役者。また、顔立が良かったり、芸が巧かったりして、人気がある役者。2.技量が優れている人。世間の喝采(かつさい)を博する、非凡で魅力的な人物。
・千慮の一失(せんりょのいっしつ) 賢者でも、多くの考えのうちには、考え違いや失敗があるということ。十分に配慮しておいても思い掛けない失敗を犯すこと。 類:●弘法にも筆の誤まり●知者の一失●孔子(くじ)の倒れ 反:■千慮の一得■愚者にも一得 出典:「史記−淮陰侯伝」
・千慮の一得(せんりょのいっとく) 愚か者でも、多くの考えの中には、一つぐらいは良い考えもあるということ。 類:●愚者にも一得 出典:「史記−淮陰侯伝」