−せり(seri)−
・競り合う(せりあう) 1.互いに競争する。先を争う。特に、実力が伯仲した者同士の争いを指す。 用例:狂言記・桜争「むさとしたことを言ひをって、それがしとせりあひをる」 2.喧嘩をする。小競(ぜ)り合いをする。 用例:浄・仮名手本忠臣蔵−三「はなせ本蔵放しやれとせり合内」 3.口論をする。口喧嘩をする。 用例:浮・新色五巻書−三「声高々とせりあいけるにぞ」 用例の出典@:花争(はなあらそい) 狂言の曲名。各流。主人が花見に行こうというと、太郎冠者は桜見と言うべきだといい、互いに古歌を引いて争うが、結局太郎冠者が負ける。桜争(さくらあらそい)。 用例に出典A:仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら) 浄瑠璃。11段。時代物。竹田出雲(二世)・三好松洛・並木千柳合作。寛延元年(1748)大坂竹本座初演。赤穂四十七士の仇討ちを題材とする。塩谷判官が高師直の無礼に堪えかねて刃傷に及び、その身は切腹。忠臣大星由良之助が同志とともに師直邸に討入り敵を討つ。初演後間もなく歌舞伎に移植され、日本における上演回数最高の記録を持つ。「仮名手本」。
・競り上げる(せりあげる) 値段をだんだん高くする。競り売りなどで、買い手が値段を吊り上げる。 用例:浮・傾城禁短気−三「いはぬ顔して金をせりあげる言廻し」
・台詞打つ(せりふうつ) 1.無心を言う。金品を強請(ねだ)る。 類:●せがむ●強請る 2.無心を聞いてやることをいう。
・台詞を付ける(せりふをつける) 1.仕種(しぐさ)に台詞を付ける。転じて、演出する。2.事情を説明する。話を付ける。