−せつ1(setu1)−
・絶纓の会(ぜつえいのかい) 楚の荘王の逸話。為政者(いせいしゃ)の寛容と、壮士の報恩を説いたもの。三国志では、李儒(りじゅ)が董卓(とうたく)を諫めるために引用したとされる。 故事:「説苑−復恩」 戦勝の宴のとき、闇に紛れて荘王の寵姫(蔡姫?)の股座に手を差し入れた壮士があった。蔡姫は犯人探しをして呉れと、荘王に願い出たが、荘王は「全員帽子の冠纓(紐)を取って下に捨てよ」と言ってから、灯りを点けさせた。恥を掻かずに済んだこの壮士は、後に荘王の危機を、身を呈して救った。
・折角(せっかく)
・尺蠖の屈するは伸びんがため(せっかくのくっするはのびんがため)[=屈むは〜] 尺取虫(しゃくとりむし)がからだを縮めるのは、次にからだを伸ばして前進しようとするためであるということから、将来大きく飛躍しようとする人間は、一時、人の後ろに下がって待機する心掛けが必要であるということ。 出典:「易経−繋辞・下」「尺蠖之屈、以求信也、竜蛇之蟄、以存身也」
・せっかち 先ばかりを急いでいて落ち着かない様子。また、その人。 類:●気短(きみじか)●性急●待て暫しがない ★「急勝(せきがち)」の変化という<国語大辞典(小)>
・折花攀柳(せっかはんりゅう) 花を折り柳に攀(よ)じ登るという意味で、花流の巷(ちまた)に遊ぶこと。つまり、遊里で芸者や遊女と遊ぶこと。
・折檻(せっかん)
・積毀骨を銷す(せっきほねをしょうす) 謗(そし)りも多く積もれば、固い骨をも溶かしてしまうという意味で、衆人の口は恐ろしいということの喩え。 類:●積羽舟を沈む 出典:鄒陽「獄中上梁王書」 人物:鄒陽(すうよう) 前漢。斉の人。前203〜前129年。戦国末期の知謀の士。梁の孝王に投獄されながらも、獄中からの上書によって梁の上客となった。
・節句働き(せっくばたらき) 皆が仕事を休む節供の日に、普段怠(なま)けている者が、自分だけ殊更に忙しそうに働くこと。 類:●節供倒し 例:「怠け者の節供働き」
・節句前知らず(せっくまえしらず) 節句の前に感情を締(し)める習わしがあったが、それを知らないということで、暢気(のんき)であること。一般に、金銭の苦労を知らずに暢気(のんき)でいること。
・絶絃(ぜつげん) 愛用の楽器の弦を断つこと。転じて、慣れ親しんだ物や人や行為と決別すること。 出典:「呂氏春秋−本味」「鍾子期死、伯牙破琴絶絃終身不復鼓琴」 参考:知音 故事:「列子−湯問」 中国古代の琴の名人伯牙(はくが)は、自分の技量を最も理解してくれた鍾子期(しょうしき)に死別してから愛用の琴の弦を断ち、二度と琴を弾かなかった。
・切磋琢磨(せっさたくま) 「切」は刻む、「磋」は鑢(やすり)などで擦り磨く、「琢」は玉を磨く、「磨」は砥石などで磨くの意味。 1.骨・角・石・玉などを切り磨くこと。磨き上げて細工すること。2.学問や道徳、また技芸などに励むこと。3.仲間同士互いに戒め合い、励まし合い、また競い合って向上すること。人格を磨くこと。 出典:「詩経−衛風」「如切如磋、如琢如磨」
・切歯(せっし) 歯と歯とを軋(きし)り合わせること。歯を食い縛(しば)ること。転じて、極めて無念に思うこと。また、酷く憤慨すること。 例:「切歯扼腕」
・切歯痛憤(せっしつうふん) 歯軋(ぎし)りをして大いに憤慨するという意味で、酷(ひど)く腹を立てて憤(いきどお)り嘆くこと。 類:●切歯慷慨(せっしこうがい)
・切歯扼腕(せっしやくわん) 歯軋りをし腕を握りしめること。激しく怒ったり悔しがったりすること。 出典:「史記−張儀伝」「是故天下游談士、莫不日夜腕瞋目切歯、以言従之便、以説人主」
・折衝(せっしょう) 1.敵が衝突してくるのを挫(くじ)き止めること。また、敵の鉾(ほこ)さきを折ること。 出典:「詩経−大雅・緜、伝」 2.転じて、特に、外交における談判(だんぱん)。 参考:樽俎折衝 3.一般に、利害の食い違う相手と駆け引きをすること。また、その談判。 例:「漁業問題の折衝に当たる」
・殺生(せっしょう) 1.生き物を殺すこと。仏教では十悪の一つとされている。 例:「無益な殺生はするな」 2.惨(むご)いこと。思い遣りがないこと。 例:「そんな殺生な」
・殺生八分の損、見るは十分の損(せっしょうはちぶのそん、みるはじゅうぶのそん) 1.生き物を殺す人間に良いことは巡ってこない。更に、それを見て喜ぶような者には、もっと幸運は来ない。2.悪事を起こす者にも罪はあるが、それを見過ごしにする者には一層重い罪があるということ。
・雪上霜を加う(せつじょうしもをくわう) 物が多過ぎるところに、更に同種のものを加えること。良い意味にも悪い意味にもいう。 類:●黄金塗りの上に黄金を塗る●長者の脛(はぎ)に味噌を付ける 出典:伝燈広録(でんとうこうろく) 成立未詳。長治2年(1105)に伝法潅頂を受けた静誉の伝・・・詳細調査中。 
・絶世の美人(ぜっせいのびじん)[=佳人(かじん)] 世にまたとないほど美しい女性。比較するもののない美人。美しさが並外れていること。 類:●傾国●傾城 出典:「古文真宝−五言古風長篇」 杜子美(杜甫)『佳人』「絶代有佳人、幽居在空谷」
・節制は最良の薬なり(せっせいはさいりょうのくすりなり) 何事においても度を越さず、欲求を適度に抑えて暮らすことが、どんな良薬にも勝(まさ)るものである。 類:●腹八分に医者要らず●Temperance is the best physic [medicine].<「英⇔日」対照・名言ことわざ辞典>
・折箭の戒め(せっせんのいましめ) 一本の矢は直ぐに折れてしまうが、十九本纏(まと)めたの矢は折れない。皆で力を合わせることの大切さを説いた教え。 類:●三矢の教訓 出典:「魏書−吐谷渾伝」「阿豺《略》曰、汝取一隻箭折之、慕利延折之、又曰、汝取十九隻箭折之、延不能折」