−せわ(sewa)−
・世話入る(せわいる) 手間が掛かる。手数が掛かる。
・世話がない(せわがない) 1.手数が掛からない。2.呆れ果ててどうしようもない。 類:●処置なし 例:「自分の掘った穴に落ちてりゃ世話はない」
・世話が焼ける(せわがやける) 他からの手助けが必要で、手数が掛かる。面倒だ。 例:「随分と世話が焼ける子だ」
・忙しない(せわしない) 1.しなければならないことが多く重なって暇がない。忙しい。多忙である。 用例:虎寛本狂言・二人袴「申々、早う通らせられいと申まする。扨々せわしない」 2.落ち着きがない。せかせかしている。気忙しい。 用例:謡曲・黒塚「草の庵りのせはしなき、旅寝の床ぞもの憂き」 ★「ない」は、その意味を強調し形容詞化する接尾語。 用例の出典@:二人袴(ふたりばかま) 狂言。各流。婿入りする男が親と二人で舅(しゅうと)の家へ行き、一着の袴で親と交代に舅の前に出る。二人一緒にと言われ、やむなく袴を二つに裂き、前だけ当てて舅の前に出る。舞を所望され背中を見せまいと苦心して舞うが、終に見付けられて恥を掻く。 用例の出典A:黒塚(くろづか) 謡曲。五番目物。各流。作者不明。那智の山伏一行が奥州の安達原で宿を求める。親切な主の老女の留守中に、その寝室を覗き死体の山を発見する。驚いて逃げる一行を老女が鬼女となって襲うが、終に山伏に祈り伏せられる。
・世話なし(せわなし) 1.手数が掛からないこと。また、そういう人。 例:「カップ麺で満足というのなら世話なしだ」 2.呆れ果ててどうしようもないこと。また、そういう人。
・世話に砕ける(せわにくだける) 1.歌舞伎の台詞回しで、時代物風に調子を張っていたのが、急に日常的・庶民的な砕(くだ)けた調子に変わる。2.転じて、言葉つきや態度が打ち解けていて、庶民的である。格式ばっていない。
・世話になる(せわになる) 他人の援助を受ける。他人の力に頼り、面倒を掛ける。 類:●厄介になる
・世話をかく(せわをかく) 良く気を配って人の面倒を見る。 類:●世話を焼く●世話をする 用例:浄・菅原伝授手習鑑「教ゆる人は取り分けて世話をかくとぞ見えにける」
・世話を掛ける(せわをかける) 自分のために、他の者に面倒な思いをさせる。 類:●厄介を懸ける
・世話を拾う(せわをひろう) 世話の掛かることを拾うという意味から、厄介(やっかい)な問題を背負い込んで苦労すること。
・世話を焼く(せわをやく) 1.進んで人の面倒を見る。2.人のために尽力する。
・世話を病む(せわをやむ) 人の面倒を見て、大変な苦労をする。自分自身が病むほど、心を掛けて深く世話をする。 用例:浄・生玉心中−上「世話を病んで病み死にの母様の恩をはや忘れ」