−しら2(sira2)−
・知らぬが仏(しらぬがほとけ)
・知らぬ存ぜぬ(しらぬぞんぜぬ) 「知らない」を強調した言葉。多く、知っているのに知らぬ振りを押し通す場合に言う。 類:●見猿聞か猿言わ猿 例:「施工業者は知らぬ存ぜぬの一点張り」
・知らぬ他国にも鬼はない(しらぬたこくにもおにはない) → 渡る世間に鬼はなし
・知らぬは亭主ばかりなり(しらぬはていしゅばかりなり) 女房の不貞を、周囲の者は皆知っているが、当の亭主だけは気付かないでいること。転じて、当事者だけが知らずに平気でいること。
・知らぬ仏より馴染みの鬼(しらぬかみよりなじみのおに)[=神より〜] 仏のような人でも、素性が良く分からなければ、良く知った悪人に及ばないものだ。どんなものであっても、疎遠な者より、慣れ親しんだものの方が勝る。 類:●見えない仏より触れる鬼●見知らぬ天使より顔なじみの悪魔を選ぶもの●遠水渇を救わず●遠くの親類より近くの他人
・白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ)
・白張りの提灯(しらはりのちょうちん) 1.油を引いてないただの白紙を張っただけで、紋などを書かない提灯。普通、葬式のときに使う。 類:●白張(しろば)り 2.白張りの提灯には紋がないところから、「文(もん)なし」に掛けて、金銭を持っていないこと。
・虱潰し(しらみつぶし) ものごとを片っ端から残らず調べたり処理したりすること。 例:「商店街を虱つぶしに調べる」
・虱の皮剥き(しらみのかわむき)[=皮(かわ)] 物惜しみすること。非常に貪欲なこと。けちなこと。 類:●虱の皮を千枚に剥ぐ
・虱の皮を鉈で剥ぐ(しらみのかわをなたではぐ)[=槍(やり)で〜] 小さい事を処理するのに、大袈裟に行なうことの喩え。
・虱を捫って当世の務を談ず(しらみをひねってとうせいのむをだんず) 虱を潰しながら時事を論じること。礼儀作法に構わない態度で、時世や政治を論ずること。また、傍若無人な態度の喩え。 出典:「晋書−王猛載記」「隠于華陰山、〈略〉桓温入関、猛被褐而詣之、一面談当世之事、捫虱而言、旁若無人」
・白を切る(しらをきる) 態(わざ)と知らない振りをする。何食わぬ顔をする。 類:●しらばくれる●何食わぬ●空惚(とぼ)ける ★「しら」は「知らぬ」の「しら」<大辞林(三)>
・白を付ける(しらをつける) 無実であることを明白にする。潔白を証明する。
・知らんがために我は信ず(しらんがためにわれはしんず) ラテン語 credo ut intelligamの訳。神学者アンセルムスの言葉。信仰を前提とした上で、その根拠を純粋に理性的に探究する立場。それにより、神の存在証明を試みた。 人物:アンセルムス 神学者。スコラ哲学の初期の代表者。1033〜1109。イタリアで生まれ、イギリスのカンタベリーの大司教となる。神の存在論的証明やキリストの贖罪論の理論化を行なう。
・芝蘭玉樹庭階に生ず(しらんぎょくじゅていかいにしょうず) 芳香のある草や美しい木が、庭へ降りる階段近くに生えている。一族から、多くの優れた人材が出ることの喩え。 出典:「晋書−謝玄伝」「譬如芝蘭玉樹、欲使其生於庭階耳」 ★「芝蘭」は、霊芝(れいし)や藤袴(ふじばかま)で、共に芳香のある草。
・芝蘭の化(しらんのか) 良い友人と付き合うことによって、自然に受ける徳の感化。 出典:「孔子家語−六本」「与善人居、如入芝蘭之室、久而不聞其香、即与之化矣」