−しり(siri)−
・尻馬に乗る(しりうまにのる)
・尻が青い(しりがあおい) 未熟で、一人前でないこと。幼児の尻には青い蒙古斑(もうこはん)があることから言う。 類:●嘴が黄色い●青二才 例:「まだ尻が青い若造」
・尻が暖まる(しりがあたたまる)[=温(ぬく)もる] 長い間同じ所に留まっていること。また、同じ勤めに長く携わっていること。 反:■尻が据わらない
・尻が重い(しりがおもい) 1.動作に機敏さを欠き、なかなか腰を上げない。身軽に立ち働かない。 類:●鈍(にぶ)い 2.容易に始めようとしない。 類:●ものぐさ
・尻が軽い(しりがかるい) 1.動作が機敏である。また、ものごとを即座に始める。2.軽弾みな行動をする。軽率な振舞いをする。3.女が、浮気である。 類:●蓮っ葉
・尻が来る(しりがくる) 後で苦情や談判を持ち込まれる。他人がした、好ましくないものごとの処理が身に降り懸かってくる。 類:●尻を拭う●尻拭いをする●台座が来る●とばっちりが来る
・尻がこそばゆい(しりがこそばゆい)[=の下が〜] いるべきでない所にいるような、落ち着かない心の状態。また、決まりが悪い状態である。 類:●尻こそばゆい
・尻が据わらない(しりがすわらない) 落ち着かない。じっくりと一箇所に落ち着いていない。 反:■尻が暖まる
・尻が長い(しりがながい) 人の家を訪ねて、話し込んでしまい、なかなか帰らない。長居である。 類:●長っ尻
・尻から抜ける(しりからぬける) 見聞きしたことをすぐに忘れてしまう。 類:●尻抜け
・尻から焼けて来るよう(しりからやけてくるよう) ものごとが差し迫って、慌(あわ)て騒ぐ様子。 類:●尻に火が付いたよう
・尻が割れる(しりがわれる) 隠していた悪事などが露見する。企(たくら)みがばれる。 類:●尻(けつ)が割れる 用例:当世書生気質「以前放蕩の尻が割れて、いまでは借金で首がまはらず」 例:「尻が割れて日本にいられなくなる」 用例の出典:当世書生気質(とうせいしょせいかたぎ) 小説。坪内逍遥。明治18(1885)〜19年発表。書生小町田と芸妓との恋愛を中心に、明治10年代の東京の学生生活の諸相を写実的に描く。「小説神髄」の理論を実践化しようとした作品。
・尻切れ蜻蛉(しりきれとんぼ) 始めがあって終わりがないこと。ものごとが中絶すること。また、根気がなく、何事にも長続きしない人を嘲(あざ)ける言葉。 類:●尻切れ鳶(とんび)●尻切り蜻蛉●中途半端 ★「尻切れした蜻蛉草履(ぞうり)」からか。「尻切れ草履」は、擦り切れて、踵(かかと)の部分がなくなってしまった草履のこと。
・尻口で物言う(しりくちでものいう) どっちつかずの曖昧な態度で、ものを言う。どっちつかずの物言い。
・尻毛を抜く(しりげをぬく) 相手の油断に付け込んで不意に事をしでかして驚かす。また、人を侮(あなど)って騙(だま)す。
・而立(じりつ) 三十歳の異名。孔子が三十歳の時に独り立ちしたと語ったことによる。 出典:「論語−為政」「子曰、吾十有五而志于学。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而従心所欲、不踰矩」
・尻に敷く(しりにしく)[=の下に〜] 相手を軽くみて、我が儘に振る舞う。特に、妻が夫を軽んじて、勝手気侭に振る舞うこと。 例:「亭主を尻に敷く」
・尻に付く(しりにつく)[=立つ] 人の後ろに付いて行く。人に従う。また、人の真似をする。
・尻に火が付く(しりにひがつく)[=点く] 事態が差し迫ってきて、じっとしていられない様子。慌(あわ)てふためく様子。
・尻に帆を掛ける(しりにほをかける) 慌てふためいて逃げ出す。さっさと逃げだすこと。
・尻拭い(しりぬぐい) 他人の失敗や不始末の事後処理を、代わってすること。
・尻抜け(しりぬけ) 1.見たり聞いたりしたことをすぐに忘れること。また、その人。2.仕事などを途中で放り投げてしまうこと。ものごとの締め括(くく)りが付かないこと。また、その人。3.仕事の手抜かり。不手際(ふてぎわ)。
・尻の毛まで抜かれる(しりのけまでぬかれる) 何も残らなくなるまで騙(だま)し取られる。 類:●骨までしゃぶられる
・尻の毛を抜く(しりのけをぬく) 相手が油断している間に出し抜く。 類:●尻(けつ)の毛を抜く
・尻へ手が回る(しりへてがまわる) 1.他人の言動などを自分勝手に推量する。 類:●気を回す 2.後々のことを考えて、手段を用意しておく。
・尻全し(しりまったし) 尻が落ち着いている。度胸が座っていて、気骨がある。
・支離滅裂(しりめつれつ) 筋道が立たないで、滅茶苦茶であること。 例:「支離滅裂な話」
・尻目に懸ける(しりめにかける) 1.尻目で見る。相手をちょっと見るだけで、まともには問題にしない態度を取る。見下し、蔑(さげす)む様子。 類:●尻目に見る 2.媚びた目付きをする。 類:●色目を使う●秋波を送る
・尻餅を搗く(しりもちをつく) 1.後ろに倒れて地面に尻を付くこと。 類:●腰を突く ★尻で餅をつく意<新明解国語辞典5版(三)> 2.比喩的に、航空機が着陸するときに、後尾を先に着いてしまう。
・尻も結ばぬ糸(しりもむすばぬいろ) 玉止めのしてない縫い糸のこと。 1.ものごとが、締まりのないこと。締め括(くく)りがないこと。けじめがないこと。また、無責任なこと。2.言った後からすぐばれてしまう嘘。隠し事が筒抜けになること。
・時流に乗る(じりゅうにのる) その時代の傾向や風潮に巧く乗る。機会を巧く利用する。 類:●時機に投ずる