−しせ(sise)−
・時勢遅れ(じせいおくれ) 世のなりゆきにおくれること。時代の風潮におくれること。 類:●時代遅れ●流行遅れ
・四世同堂(しせいどうどう) 1.老親と本人、子夫婦と孫の四世代が同じ家に住むこと。幸福な家庭の喩え。2.中国の作家・老舎(ろうしゃ)の代表作(1951年)。
・市井の人(しせいのひと) 昔、中国で、井戸のある所に人が集まって市(いち)が成立したところから、市中に住む人。 類:●市井の徒●庶民●市井人 参考:市井(しせい) 人の集まり住む所。 出典:旧唐書(くとうじょ) 中国の正史の一つ。945年成立。紀伝体。本紀20、志30、列伝150の200巻。五代後晋の劉埖(りゅうく)らが勅によって著(あらわ)した、唐一代の史実を記した書。資料不足が欠点といわれる。宋代に、別に「新唐書」が編(あ)まれたためこう呼ばれる。
・死生命あり(しせいめいあり) 人の生死は天命によるもので、人の力ではどうすることもできない。 出典:「論語−顔淵」「子夏曰、〈略〉死生有命、富貴在天」
・咫尺を弁ぜず(しせきをべんぜず) 視界が利かず、近距離のものも見分けが付かない。 参考:「咫」は中国の周尺で8寸=約18センチメートル、「尺」は1尺で10寸=約22.5センチメートル。
・時節の梅花春風を待たず(じせつのばいかしゅんぷうをまたず)[=借らず] 梅の花は春の暖かな風の吹くまで待たずに、時期が来れば咲いて散る。天の命ずる自然の流れは、人の力では変えることができないということの喩え。
・死せる孔明、生ける仲達を走らしむ(しせるこうめい、いけるちゅうたつをはしらしむ)[=諸葛、〜] 死んでもなお威力があって、生きている人を畏(おそ)れさせることの喩え。 故事:中国の三国時代、蜀の諸葛孔明が五丈原で魏の司馬仲達の軍と対陣中病死し、それを聞いた仲達は攻撃に出たが、蜀軍が旗を返し、鼓を鳴らして反撃する勢いを示すと、孔明の死が偽(いつわ)りで、計略に掛かったと恐れて追撃を中止して退いた。 出典:「十八史略−三国」「死諸葛、走生仲達」・「晋書」・「資治通鑑綱目」 出典:資治通鑑綱目(しじつがんこうもく) 中国宋代の史書。59巻。朱熹撰。「資治通鑑」を綱目に分けて編集したもの。「綱」では朱子が史実の要約を行い、「目」では弟子の趙師淵が史評を加えている。
・自然淘汰(しぜんとうた) 《四熟》 1.進化論の用語。周囲の状態に適した生物のみが生存して子孫を残し、そうでないものは子孫を残さずに滅びるということ。 ★「自然選択」の旧称<新明解国語辞典第五版(三)> 2.転じて、時代の流れに付いて行けない者は、独りでに滅びるということ。
・自然に帰れ(しぜんにかえれ) フランス語 Retournons a la natureの訳語。人間本来の自由・幸福を奪った社会の因襲から脱して、人間本来の状態に帰ろうではないかと言う呼び掛け。ジャン・ジャック・ルソーの思想を端的に表現した言葉。 人物:ジャン・ジャック・ルソー フランスの啓蒙思想家。1712〜78。理性に対して感情の優位を主張し、人為的な文明社会における人間の堕落をつき、自然に帰ることを説いた。「人間不平等起原論」「社会契約論」で人民主権を説いて大革命の原理を打ち出し、『新エロイーズ』で情熱の解放をうたってロマン主義の源流をつくり出し、『エミール』で自然に即した人間像を示し、『懺悔録』で自己を赤裸々に語った。
・自然のこと(しぜんのこと) 1.自然に起こる予期できない事件。 類:●万一の事●もしもの事 用例:平家−九「自然の事のあらん時、物の具して頼朝がのるべき馬なり」 2.特に、死ぬことをいう。 類:●もしもの事 用例:浮・男色大鑑−二「此上に十太郎自然の事あらば」 ★普通、「自然の事あらば」のような仮定条件、「自然の事あらむ時」のような未来表現の中で用いられる<国語大辞典(小)>
・自然は飛躍せず(しぜんはひやくせず) ラテン語 natura non facit saltumの訳語。自然は一挙に変化することなく、漸次的に変わっていくものだという考えを示す生物学者リンネの言葉。 人物:カール・フォン・リンネ Carl
von Linn。スウェーデンの植物学者。1707〜78。既成の知識を体系化して植物の分類を整理した。また、二名法を確立し、綱、目、属、種と様々な生物を階層的に分類しました。著書『植物の属』など。蛇足だが、惑星記号の「♂(マルス)」「♀(ビーナス)」を性別記号として採用した人(1753『植物の種』)でもある。
・死線を越えて(しせんをこえて) 賀川豊彦が書いた小説の題名(大正9年刊行)から生まれた言葉。生死を問題にしないでや、決死の覚悟でという意味で使う。