−しを(siwo)−
・死を致す(しをいたす) 命を亡くす。死ぬ。
・地を打った(じをうった) 大地は誰が打っても打ち外すことがないという意味から、最も安易な言い回しや形容。平凡な。ありきたりの。 用例:浄・傾城阿波の鳴門−八「逢はぬの無事なのと地を打った台詞(せりふ)ぢゃない」 類:●常套(じょうとう)●陳腐(ちんぷ) 用例の出典:傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると) (1)歌舞伎。時代物。3幕。近松門左衛門。元禄8年(1695)京都早雲座初演。和泉国斑鳩(いかるが)家のお家騒動物。(2)浄瑠璃。時代物。10段。近松半二らの合作。明和5年(1768)大坂竹本座初演。夕霧伊左衛門の話に伊達騒動、阿波の十郎兵衛の巷説をとり入れたもの。お弓とその子お鶴の愁嘆の場が特に有名で、歌舞伎では「どんどろ大師の場」として繰り返された。 
・死を決す(しをけっす)[=極(きわ)む] 死を覚悟する。
・死を鴻毛の軽きに比す(しをこうもうのかろきにひす) 「鴻毛」は鳳の羽毛のことで、非常に軽いものの喩え。国家・君主などのために命を捧げ、潔く死ぬこと。 類:●命は鴻毛より軽し
・刺を通ず(しをつうず) 名刺を出して面会を求める。名刺を渡す。また、名前を名乗って案内を請う。 用例:断腸亭日乗 「唖々子の名を借りて刺を通ずる」 用例の出典:断腸亭日乗(だんちょうていにちじょう) 日記。永井荷風。荷風の大正6年(1917)から昭和34年(1959)までの日記。
・詩を作るより田を作れ(しをつくるよりたをつくれ) ここでの「詩」は漢詩のこと。文学などという非生産的なことに熱中するより、実生活の利益になるようなことをすべきであるという喩え。 類:●念仏申すより田を作れ 出典:不明
・死を賭す(しをとす) ある目的を遂(と)げるために、自己の生命を投げだす。命懸けで事に当たる。 類:●身命を賭する
・辞を吐けば経と為る(じをはけばけいとなる) 孟子や荀子の口から出た言葉は、その言葉がそのまま経書になるような立派なものであったということ。 類:●足を挙ぐれば法と為る 出典:韓愈「進学解」「吐辞為経、挙足為法」 韓愈(かんゆ)が孟子と荀子を讃(たた)えた言葉。
・辞を低うする(じをひくうする) 遜(へりくだ)った言い方をする。謙遜した言葉使いをする。 類:●言葉を下ぐ●言葉を卑くする
・死を視ること帰するが如し(しをみることきするがごとし) 死を恐れない様子は、まるで家に帰る時のような気安さである。死に臨んで、ゆったりと落ち着いている様子。 類:●従容(しょうよう)として死を恐れぬ 出典:「大戴礼−曾子制言上」「及其不可避也、君子視死如帰」 出典:大戴礼(だいたいれい) 中国の経書。85編、うち39編現存。前漢の戴徳撰。周・秦・漢代の礼説を集めたもの。