−しや(か)(siya2)−
・社会に出る(しゃかいにでる) 世の中に出て独り立ちをするという意味で、学生であったり親の庇護の下にあったりした者が、独立した人間としての仕事や役割を担(にな)うようになる。
・社会の木鐸(しゃかいのぼくたく) 世の中を教導し、正す人。 参考:木鐸(ぼくたく) 木製の舌がついた金属製の大鈴。昔、中国で文教の法令などを人民に示すときに振り鳴らした。 
・社会の窓(しゃかいのまど) 俗語。男のスボンの股間にあるファスナー。 例:「社会の窓が開いてるよ」 ★昭和23(1948)〜29年、及び34〜35年に放送されたNHKラジオの番組「インフォメーションアワー・社会の窓」に由来する。昭和20年代中後半の流行語。「普段の社会の裏側に隠された大事なものが見えてくる番組」という謳(うた)い文句による。 ★女性のファスナーを、教科名の対比で「理科の窓」とも言っていたが、現在では廃(すた)れつつある。
・釈迦に説法(しゃかにせっぽう)
・釈迦にも経の読み違い(しゃかにもきょうのよみちがい) → 猿も木から落ちる
・蛇が蚊を呑んだよう(じゃがかをのんだよう) 蛇は身体に似ず大きなものを呑みこむが、蚊ではあまりにも小さ過ぎるということ。小さ過ぎて問題にならないこと。また、少な過ぎて腹の足しにならないこと。堪(こた)えない、効果がないことの喩え。
・邪が非でも(じゃがひでも) どうあろうとも。何が何でも。 類:●是が非でも ★「じゃ」は「ぜ(是)」の変化したもので、「邪」の意と解されて<国語大辞典(小)>
・車魚の嘆(しゃぎょのたん) 斉の馮驩(ふうかん)が、「食事に魚もない、外出するのに車がない、家族揃って住む家がない、このような扱いを受けるのなら、長剣よ、帰ろうか」と歌ったことを指す。 類:●長鋏帰らんか ★斉の宰相孟嘗君とその食客馮驩(ふうかん)との故事による<中国故事物語(河出書房新社)> 出典:「戦国策−斉」
・酌が強い(しゃくがつよい) 酌をする回数が甚(はなは)だしいという意味から、無闇矢鱈と酒を注ぐこと。
・杓子定規(しゃくしじょうぎ)
・杓子で腹を切る(しゃくしではらをきる) できるはずのないことをする。不可能なことをする。また、形式だけのことをするの喩え。 類:●擂り粉木で芋を盛る●擂り粉木で腹を切る●杓子腹
・杓子は耳掻きにならず(しゃくしはみみかきにならず) 大きい物が、必ずしも小さい物の代用になるとは限らない。
・綽綽(しゃくしゃく) ゆったりとして、ゆとりがある様子。落ち着いて焦らない様子。 類:●綽然 例:「余裕綽綽」「綽綽として余裕あり」
・杓子渡し(しゃくしわたし) 主婦権を譲り渡すこと。姑が嫁に家政を任せること。 類:●箆(へら)渡し●杓文字渡し
・杓子を定規にする(しゃくしをじょうぎにする)[=使う] 杓子の柄は曲がっていて定規にならない。正しくないものを基準とする。
・杓子を取る(しゃくしをとる) 「杓子」は一家の台所を意味し、それを担うということから、世帯を取り仕切ることを表わす。
・杓子を渡す(しゃくしをわたす) 姑(しゅうとめ)が、嫁に世帯の切り盛り役を譲る。
・尺進尋退(しゃくしんじんたい) 僅かばかり進んでたくさん退くこと。また、得るところが少なく、失うところが多いことの喩え。 類:●寸進尺退
・笏取り直す(しゃくとりなおす) 慌てて笏を持ち直す。転じて、はっと気が付いて姿勢を改め、威儀を正す。
・弱肉強食(じゃくにくきょうしょく) 力の弱いものが強いものの餌食(えじき)になること。力の強いものが勝ち、栄えること。 類:●優勝劣敗●生存競争 例:「弱肉強食の世の中」 出典:韓愈「送浮屠文暢師・序」「弱之肉、強之食」
・癪に障る(しゃくにさわる) ものごとが気に入らなくて腹が立つ。 類:●癇に障る●気に障る●肝が煎れる
・癪の種(しゃくのたね) 腹が立つ原因。癇癪を起こす元。
・癪の虫(しゃくのむし) 身中にいて、癪の病気を起こす元になると考えられた虫。転じて、腹の立つ原因となる事柄。
・尺八ほど(しゃくはちほど) 涎や涙を、尺八みたいに長く垂らすということから、涙や涎が長く垂れる様子の喩え。
・寂滅為楽(じゃくめついらく) 《四熟・仏教用語》 生死を超越し、煩悩から解放されて初めて、真の安楽が得られる。涅槃(ねはん)の境地に至って、また、死ぬことによって、初めて安楽が得られるということ。 類:●生滅滅已 出典:「涅槃経−雪山偈」 ★「寂滅」は、悟りの境地に入ること。または、死ぬこと。
・尺も短き所あり、寸も長き所あり(しゃくもみじかきところあり、すんもながきところあり)[=短く寸も長し] 「寸」にくらべて長い「尺」でも、時には短くて足りないことがあり、「尺」に比べて短い「寸」でも、時には長くて余ることがあるということで、どんなものごとにでも長所と短所があるということ。賢者もことによっては劣り、愚者もことによっては勝(まさ)ることがあるえ。 出典:「楚辞−卜居」「尺有所短、寸有所長、物有所不足、智有所不明。数有所不逮、神有所不通」
・雀躍(じゃくやく) 雀が躍るように、小躍りして喜ぶこと。 類:●小躍り 例:「欣喜(きんき)雀躍」
・錫を飛ばす(しゃくをとばす) 僧が修行のために各地を遍歴する。 類:●行脚(あんぎゃ)する
・尺を取る(しゃくをとる)[=打つ] 物差しで長さを測る。寸法を取る。
・尺を枉げて尋を直ぶ(しゃくをまげてひろをのぶ) 短いものを縮めて、長いものを更に伸ばす。小節を犠牲にして大義に従う。小利を捨てて大利を取ること。 類:●寸を幄(ま)げて尺を信(の)ぶ 出典:「孟子−滕文公・下」「枉尺而直尋、宜若可為也」