−しよう(さ)2(siyou3-2)−
・小人間居して不善を為す(しょうじんかんきょしてふぜんをなす)・閑居して〜 徳のない品性の卑(いや)しい者は、独りひっそりと暮らしていると、兎角(とかく)良くないことをするものだ。 出典:「礼記−大学・伝六」「小人間居為不善、無所不至」 ★「間居」は、人に目立たずに独りでいること。
・小人窮すればここに濫す(しょうじんきゅうすればここにらんす) 品性が卑(いや)しく度量の狭い人は、窮乏すると自暴自棄になり、犯罪を犯す。 類:●窮すれば濫す 用例:「論語−衛霊公」「君子固窮、小人窮斯濫矣」
・正真正銘(しょうしんしょうめい) 嘘や偽(いつわ)りがまったくないこと。間違いなくそうであること。 用例:滑・風来六部集−下「是ぞ正真(シャウジン)正銘の風来先生の作なり」 ★古くは「しょうじんしょうめい」<国語大辞典(小)>
・小人罪なし玉を懐いて罪あり(しょうじんつみなしたまをいだいてつみあり) 品性が卑しいからといって、初めから罪を犯すものではなく、ただ、身分不相応の財宝を持ったりするから罪を犯すようになるのである。 用例:「春秋左伝−桓公十年」「周諺有之、匹夫無罪、懐璧其罪」
・小人の過つや必ず文る(しょうじんのあやまつやかならずかざる) 品性が卑しく度量の狭い者は、過失を犯すと、その場を繕(つくろ)い飾ろうとするばかりで、以降の行ないを改めようとはしない。 用例:「論語−子張」「小人之過也必文」
・小人の勇(しょうじんのゆう) 小人物の、威勢を示すだけの勇気。思慮の浅い人の見せ掛けの勇気。血気に逸(はや)ってただ我武者羅なだけの勇気。 類:●匹夫の勇 出典:「荀子−梁恵王・下」
・小人は革面す(しょうじんはかくめんす)[=面(めん)を革(あらた)む] つまらない者は、一旦人前に出してしまった自分の意見を、後から引っ込めたり修正したりするのは、体裁や対面が悪いと考えるものであり、明らかに間違っていると気付いても、言い訳や詭弁を揮(ふる)って押し通そうとする。また、小人は、顔では改めたように見せても、心の中ではまったく改めない。 反:■君子は豹変する■大人は虎変する 出典:「易経−革卦」「君子豹変、小人革面」
・小心翼々(しょうしんよくよく) 1.小さなことにまで配慮して、慎(つつし)み深くする様子。 用例:学問ノススメ「小心翼翼謹(つつしみ)て守らざる可らず」 出典:「詩経−大雅・大明」「維此文王、小心翼翼」 2.(誤解から) 気が小さくてびくびくしている様子。
・小水石を穿つ(しょうすいいしをうがつ) 僅(わず)かの水でも流れて止(や)まなければ、終いは石を磨り減らして穴を開ける。怠らず励めば、どんな難事でも終には遣り遂げることができるということ。 類:●点滴石を穿つ●雨垂れ石を穿つ 出典:遺教教(ゆいきょうぎょう) 大乗仏教の経典。1巻。後秦の鳩摩羅什(くまらじゅう)訳と伝える。梵本およびチベット訳を欠く。釈尊が臨終に当たって、戒法を守り、早くさとりを開くべきことを説いた情景を描く経典。禅宗で、仏祖三経の一つとして尊重する。詳しくは「仏垂般涅槃略説教誡経(ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう)」。
・小水の魚(しょうすいのうお) 僅(わず)かの水に棲む魚。転じて、死が目前に迫っていることの喩え。 類:●風前の燈 用例:平家−8「京中の上下の諸人、ただ小水の魚にことならず」
・上手片意地片辺土(じょうずかたいじかたへんど) 名人や達人と言われる人には、兎角(とかく)頑固で偏屈な人が多いものだということ。
・上手ごかし(じょうずごかし) 「ごかし」は「〜のような振りをする」という意味の接尾語。口では相手に諂(へつら)うようなことを言っているが、その実、内心では自分の利益を計算していること。 類:●おためごかし
・上手の手から水が漏れる(じょうずのてからみずがもれる) どんな上手な人でも、時には失敗することがあるということ。 類:●猿も木から落ちる●弘法にも筆の誤まり●釈迦にも経の読み違い●河童の川流れ
・上手者(じょうずもの) 如才(じょさい)ない人。また、お世辞が巧(うま)い人。 類:●世辞者
・上手の猫が爪を隠す(じょうずのねこがつめをかくす) 才能がある人は無闇にそれをひけらかしたりしない。 類:●上手の鷹が爪を隠す●能ある鷹は爪を隠す●能ある猫は爪を隠す●大賢は愚なるが如し
・上手を遣う(じょうずをつかう)[=言う] 巧いお世辞を言う。ご機嫌取りをする。 類:●太鼓を叩く
・将星隕つ(しょうせいおつ) 将軍が陣中で死ぬ。 類:●巨星落つ 出典:「三国志−蜀志・諸葛亮伝」 故事:諸葛亮が五丈原で戦病死した時、大きな星がその陣中に落ちたという。 
・上善は水の若し(じょうぜんはみずのごとし) 最上の善は水のようなものである。老子の「道(タオ)」の思想を言い表わした言葉の一つ。 出典:「老子−八章」「上善若水。水善利萬物、而不争、処衆人之所悪、故幾於道」 参考:水が「上善」であるとする3つの理由 @万物に利を施しているのに、他と功名を争わない。A人は他より高い地位を望むが、水は低い方へと向かう。B低いところにいるからこそ大きな存在となる。住居は大地が、心は奥深いことが、付き合いは情け深いのが、言葉は実があるのが、政治は巧く治まるのが、事を処すには有能なのが、行動するには時宜に適(かな)っているのが良い。 ★「上善」を上代・上古の善と解する見方もある。
・少壮幾時ぞ(しょうそういくときぞ) 人生は、若く勢いのよい時はきわめて短く、すぐに老衰の時が来るという意。 出典:前漢武帝の「秋風辞」 人物:前漢武帝(ぶてい) 中国前漢第7代の皇帝(在位前141〜前87年)。前159〜前87。廟号は世宗。匈奴を撃破し、張騫(ちょうけん)などを西域に遣わして東西交通の道を開いた。中央集権に力を入れ、儒学を国学とした。
・消息筋(しょうそくすじ) 事情をよく知っている方面。また、その人。 類:●消息通
・消息通(しょうそくつう) ある方面の事情をよく知っていること。また、その人。  類:●事情通