−しゆ(あ1)(siyu1-1)−
・十が九まで(じゅうがきゅうまで) 十あるうち九つは、という意味で、大部分ということを表し、確率や可能性が高いことを意味する。 類:●十に八九●十か九つ●十中八九
・衆寡敵せず(しゅうかてきせず) 少数のものは多数のものに敵対しても勝ち目がない。
・羞花閉月(しゅうかへいげつ) 《四熟》 花も恥じらい花も隠れてしまうほど、美しい容姿である。容姿が麗(うるわ)しい女性を形容する言葉。 類:●閉月羞花●羞月閉花●沈魚落雁 出典:楊果(ようか)の詩「采蓮女曲」「閉月羞花、沈魚落雁、不恁也魂消」
・衆議一決(しゅうぎいっけつ) 《四熟》 多勢の議論や相談の結果、意見が纏(まと)まり結論が出ること。 類:●衆口一致 用例:福翁自伝「是れは一番こねくって遣やろうと、塾中の衆議一決、直にそれぞれ掛りの手分けをした」
・衆口金を鑠かす(しゅうこうきんをとかす) 民衆の声は金も溶かすほどの力を持つものである。讒言(ざんげん)や世評の恐ろしさを説いた言葉。 類:●衆口鑠金(しゃくきん)●民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚し●積羽舟を沈む 出典:「国語−周語・下」「故諺曰、衆心成城、衆口鑠金」
・衆口天を熏す(しゅうこうてんをいぶす) 民衆の言葉は天をも感動させるほど力強いものである。 出典:「呂氏春秋−離謂」「衆口熏天」 ★「熏天」は、煙がもやもやと空に立ち込める意味から転じて、天を感動させるほど評判が盛んである様子。
・醜妻悪妾も空房に勝る(しゅうさいあくしょうもくうぼうにまさる) どんなに醜(みにく)い妻でも、また性悪(しょうわる)の妾(めかけ)でも、家に女気(おんなけ)のまったくないよりは増しである。 出典:蘇軾「薄薄酒」「薄薄酒勝茶湯、…醜妻悪妾勝空房」
・十字架を負う(じゅうじかをおう) いつまでも消えることのない罪や苦難を身に受ける。
・十七屋(じゅうしちや) 飛脚屋のこと。陰暦十七夜の月を立待月(たちまちづき)とも呼ぶことから、飛脚便が「忽ち着き」と捩(もじ)って言った洒落(しゃれ)。 ★この屋号の飛脚屋が、江戸の日本橋室町にあった。
・終止符を打つ(しゅうしふをうつ) ものごとに決まりを付ける。決着を付ける。お終いにする。 類:●ピリオドを打つ 例:「長年の紛争に終止符を打つ」
・袖手傍観(しゅうしゅぼうかん) 自分から手を下すことを避けて、傍(かたわ)らで見ていること。その事に関係しないで、眺めていること。成り行きに任せておくこと。 類:●拱手傍観
・周章狼狽(しゅうしょうろうばい) 大いに慌てること。うろたえ騒ぐこと。
・十字を切る(じゅうじをきる) キリスト教徒が祈祷する時に、手で胸に十字を描く仕種。
・従心(じゅうしん) 七十歳の異称。 出典:「論語−為政」「七十而従心所欲、不踰矩」
・衆人環視(しゅうじんかんし) 《四熟》 大勢の人々が周囲を取り巻いて見ていること。 類:●衆目環視
・衆心城を成す(しゅうしんしろをなす) 民衆が心を合わせれば、城壁のように堅固で破り難いものになる。結束することの威力を説いた言葉。 類:●衆口金を鑠かす●民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚し 出典:「国語−周語・下」「故諺曰、衆心成城、衆口鑠金」 周の景王(けいおう)が人民を搾取して大きな鐘を鋳造したとき、音楽官の州鳩(しゅうきゅう)が「資材を無駄に使い、民衆を苦しめている王の鐘は音が調和するものではない」と言って、民衆の大切さを訴(うった)えた。
・修身斉家治国平天下(しゅうしんせいかちこくへいてんか) 先(ま)ず自分の行ないを正し、次に家庭を整え、その上で国家を治(おさ)め天下を平らかにするべきであるということ。 出典:「礼記−大学」 ★「大學」に挙げられている八条目の修養順序。「格物」「致知」「誠意」「正心」「修身」「斉家」「治国」「平天下」。 ★儒教で、最も基本的な実践倫理で、男子一生の目的とされたもの<国語大辞典(小)>
・秋霜烈日(しゅうそうれつじつ) 1.秋の霜と夏の強い日光。 2.「秋霜」が一夜にして草木を枯らし「烈日」が田畑の作物を枯らす、その厳しさから、権威や刑罰、信念などが非常に厳しいことの喩え。
・醜態を演ずる(しゅうたいをえんずる) 他人の面前で、みっともない、だらしない行為をする。見苦しい態度を取る。 例:「酔って醜態を演ずる」
・十読は一写に如かず(じゅうどくはいっしゃにしかず) 書物の内容は、何遍も読むよりは一回書き写した方が良く理解できるということ。 類:●十遍読むより一遍写せ 出典:「鶴林玉露−天・手写九経」「卿勧朕読光武紀、朕思、十遍不如写一遍、今以賜卿」
・姑の後は嫁が継ぐ(しゅうとめのあとはよめがつぐ) 姑と嫁とは仲が悪く、とかく諍(いさか)いを起こすものだが、結局のところ、姑の後を継ぐのは実の娘ではなく嫁の方であるということ。 また、最終的には、嫁は姑に似るものであるということ。
・姑の粗拾い(しゅうとめのあらひろい) 言葉尻を捉(とら)えて責めること。 類:●小爪を拾う
・姑の十七見た者なし(しゅうとめのじゅうしちみたものなし) 姑は、自分の若い時分を引き合いに出して嫁に小言を言うが、姑の若い頃を見た者がいないから、事実かどうか分かったものではないということ。姑の自慢は当てにならないこと。 類:●親の十七子は知らぬ
・姑の涙汁(しゅうとめのなみだじる) 一般に、姑は嫁に対する同情の涙が少ないと言われるところから、非常に少ないものの喩え。 類:●雀の涙
・姑の場塞がり(しゅうとめのばふさがり) 姑は若夫婦の邪魔になるということ。
・姑の前の見せ麻小笥(しゅうとのまえのみせおごけ) 嫁が、態(わざ)と姑の前で、麻小笥を出して苧績(おうみ)の夜なべ仕事をして見せるの意。転じて、姑の前で嫁が勤勉な振りをして見せること。また、人前で体裁だけ働き者らしく振る舞うことの喩え。 類:●亭主の前の見せ麻小笥 参考:麻小笥(おごけ) 「麻(お)」を入れる小さい「笥(け)」のこと。小桶(こおけ)。