−しゆ(ん)(siyun)−
・純一無雑(じゅんいつむざつ) 《四熟》 1.不純なものや混じりけがまったくないこと。2.人物が、誠実で嘘や邪念がまったくない様子。 類:●純精無雑●純一不雑 出典:「詩経−周南・関雎・大序」
・循環端無きが如し(じゅんかんはしなきがごとし) 丸い環に端がないように、ものごとにはその始まりと終わりが判別し難いものが多くある。 出典:「孫子−兵勢」
・順境は友を作り、逆境は友を試みる(じゅんきょうはともをつくり、ぎゃっきょうはともをこころみる) 仕事でも生活でも、ものごとが順調にいっているときは、周りに人が沢山(たくさん)集まってくるが、逆境に陥(おちい)ったとき、全部が全部集(つど)ってくるとは限らない。真の友人がどうかは、逆境のとき初めて分かるものである。 類:●Prosperity makes friends, adversity tries them. (イギリスの諺)
・蓴羹鱸膾(じゅんこうろかい) 1.故郷(ふるさと)の味。 類:●お袋の味 2.故郷を思う気持ちが抑えられなくなることの喩え。 類:●里心が付く 故事:「晋書−文苑伝・張翰」「翰因見秋風起,乃思呉中菰菜、蓴羮、鱸魚膾」 晋の張翰(ちょうかん)は、秋風に逢って、故郷の蓴菜(じゅんさい)の羹(あつもの)と鱸(すずき)の膾(なます)の味を思い出し、辞職して帰郷した。
・春日遅々(しゅんじつちち) 春の日が麗(うら)らかで、長閑(のどか)な様子。また春の日は長くて暮れるのが遅いということ。 出典:「詩経」
・春秋高し(しゅんじゅうたかし)[=長(ちょう)ず] 年老いている。年齢が高い。 反:■春秋に富む 出典:「史記−斉悼恵王世家」 ★「春秋」は、春と秋で、一年のこと。転じて、年齢を言う。
・春秋に富む(しゅんじゅうにとむ) 年齢が若く、将来に長い年月を持っている。前途が洋々としている様子。 出典:「史記−曹相国世家」「天下初定、悼恵王富於春秋」
・春秋の争い(しゅんじゅうのあらそい) 春と秋の優劣を論議すること。 ★「万葉−16・題詞」の「天皇詔内大臣藤原朝臣競憐春山万花之艶秋山千葉之彩時額田王以歌判之歌」とあることなどに始まり、多くの歌が詠まれた。
・春秋の筆法(しゅんじゅうのひっぽう) 1.中国の経書「春秋」の孔子の歴史批判のような、厳しい批判の態度。2.「春秋」が些事を取り上げて大局への関係を説く論法であることから、間接の原因を直接の原因として表現する論理形式。また、論理に飛躍があるように見えるが、一面の真理を突いているような論法。
・春秋鼎に盛んなり(しゅんじゅうまさにさかんなり) 働き盛りの壮年である。人生の盛(さか)りだ。
・春宵一刻価千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん) 花は盛りで月は朧(おぼろ)しかも気候の快い春の夜は、その一時(ひととき)が千金に値するように思われる、ということ。 出典:蘇軾「春夜詩」「春宵一刻値千金、花有清香月有陰」
・春風駘蕩(しゅんぷうたいとう) 1.春の風がのどかに吹く様子。また、そよそよと心地好く吹く様子。2.転じて、人の態度や性格がのんびりとして、温和な様子。 例:「春風駘蕩とした人」
・順風に帆を揚げる(じゅんぷうにほをあげる) 追い風のときに帆を揚げて出帆する。また、ものごとが万事好都合に運ぶこと。 類:●順風満帆●順風の帆掛け船●得手に帆●渡りに船
・春風の中に坐するが如し(しゅんぷうのなかにざするがごとし) 春の微風(そよかぜ)の中に坐っているようだという意味で、暖かい春風の中で草木がすくすくと育つように、愛情溢(あふ)れる良い師の感化に接して、学問や徳義の修行が助けられるということの喩え。 出典:宋名臣言行録(そうめいしんげんこうろく) 24巻。前集10巻、後集14巻は南宋の朱熹(しゅき)の撰。続集8巻、別集26巻、外集17巻は李幼武(りようぶ)の補。宋代名臣の言行を集めたもの。
・順風の帆掛け船(じゅんぷうのほかけぶね) → 順風に帆を揚げる
・順風満帆(じゅんぷうまんぱん) 船が帆に追い風を受けて快調に進むように、ものごとが非常に順調であること。 類:●順風に帆を揚げる
・春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず) 春の夜は短い上に、気候がよく寝心地がよいので、夜の明けたのも知らずに眠りこんで、なかなか目がさめない。 出典:孟浩然の「春暁詩」「春眠不覚暁、処処聞啼鳥」 人物:孟浩然(もうこうねんもうこうぜん) 中国唐の詩人。689〜740。官に仕えず鹿門山に住んだ。のち、都に出て王維・張九齢と交わり、「春暁」など自然の美をうたった詩を多く書いた。特に五言古詩が優れている。著に「孟浩然集」。
・舜も人なり、我も亦た人なり(しゅんもひとなり、われもまたひとなり) 人は誰でも心掛けや努力次第で、舜のような立派な人間になることができるということ。 出典:「孟子−離婁・下」「舜人也、我亦人也」 ★「虞舜(ぐしゅん)」は、中国古代の伝説上の聖天子で、五帝の一人。帝尭(ていぎょう)と並称して「尭舜」という。