−そは(soha)−
・欹てる(そばだてる) 1.高く聳え立たせる。高く差し上げる。立てるようにする。 用例:十六夜日記「ゆかしさよ其の雲をそばたててよそになしぬる足柄の山」 2.斜めにする。一方の端を持ち上げる。斜めに突き出すようにする。 用例:源氏−須磨「枕をそばたてて、四方(よも)の嵐を聞き給ふに」 3.耳を傾ける。目を見張る。注意力を集中させる。 用例:古今著聞集−四・一四〇「人々耳をそばたてて」 用例の出典@:十六夜日記(いざよいにっき) 鎌倉中期の紀行文。1巻。阿仏尼作。夫藤原為家の死後、実子為相と先妻の子為氏との領地相続争いの訴訟のため、建治3年(1277)、または、弘安2年(1279)10月16日に鎌倉に下ったときの日記。多くの和歌を挿入し、擬古文体を用いる。 用例の出典A:古今著聞集(ここんちょもんじゅう) 鎌倉中期の説話集。20巻。橘成季著。建長6年(1254)成立。前代の日記、記録、説話集などを基礎資料に、平安中期から鎌倉初期の日本の説話700余編を、神祇、政道、文学など30部に分類し、年代順に収めたもの。漢文の序と和文の跋文を持ち、説話集として最も組織的な作品。
・側杖を食う(そばづえをくう)[=受ける] 争いのとばっちりを受ける。自分と関係のないことのために、とばっちりを受ける。 類:●側杖打たれる●側杖に会う●側杖に当たる●側杖を受ける●巻き添えを食う●とばっちり●尻が来る●火の粉が降り掛かる
・蕎麦と坊主は田舎が好い(そばとぼうずはいなかがよい) 蕎麦と僧侶とは、都(みやこ)から好いもの、好い人が出ないということ。
・蕎麦の花も一盛り(そばのはなもひとさかり) → 薊の花も一盛り
・側目にかく(そばめにかく) 1.横目に見る。脇目に見る。2.冷たい目で見る。余所余所しくする。 用例:曾我−1「御気色も悪しく、朋輩も側目にかけければ」
・蕎麦屋の出前(そばやのでまえ) 蕎麦屋は出前を頼んでもなかなか来ないことから、当てにならないことの喩え。 類:●医者の只今