−そく(soku)−
・惻隠の情(そくいんのじょう)[=心] 「惻」も「隠」も、傷付いた心のこと。相手を哀れむ気持ち。 出典:「孟子−公孫丑・上」「惻隠之心、仁之端也。羞悪之心、義之端也」
・息災延命(そくさいえんめい) 災難を止(とど)め、命を延ばすこと。 類:●延命息災
・即時一杯の酒(そくじいっぱいのさけ) 死後に名声を得るより、今直(す)ぐ一杯の酒を飲む方が良いということ。後で大を得るよりも、今の小を良しとする喩え。 類:●明日の百より今日の五十●朝三暮四●明日の親鳥より今日の卵●死しての千年より生きての一日 出典:「世説新語−任誕」「使我有身後名、不如即時一杯酒」
・俗耳に入り易い(ぞくじにはいりやすい) 世間一般の人々に理解され易い様子。特に、学問のない庶民に受け入れられ易いこと。 類:●俚耳に入り易い 例:「俗耳に入り易いキャッチフレーズを並べる」
・息壌の盟(そくじょうのちかい) 最初の約束を守るという誓い。また、他人の心変わりを防ぐこと。 出典:「戦国策−秦・武王」「王曰、寡人不聴也、請与子盟。於是与之盟於息壌」 秦の武王が息壌の地で甘茂と誓いを結んだ。案の定、王はこの誓いを破ろうとしたが、息壌の地を指し「息壌在彼(かしこにあり)」と言って約束を思い出させた。
・速戦即決(そくせんそっけつ) 1.戦いを長引かせず、開戦と共に、敵の主力を撃破して戦勝を決定付けようとすること。持久戦に対して言う。2.転じて、闘争・論争などで、短時間で決着を付けること。 類:●即断
・則天去私(そくてんきょし) 《四熟》夏目漱石の造語。天に則(のっと)り私(わたくし)を去るの意味。 1.小さな私を去って、自然に委(ゆだ)ねて生きること。宗教的な悟りを意味すると考えられている。2.執筆に際して、作家の主観を挿(はさ)まない無私の芸術を意味した、とする見方もある。『明暗』はその実践作とされる。 ★漱石自身が文章に残した訳ではなく、漱石の発言を弟子達が書き残したものであり、その意味は必ずしも明確ではない。
・俗に落ちる(ぞくにおちる) 一般受けする、通俗的で世間一般の人に受け入れられ易いということ。多少軽蔑の気持ちを込めて言う。
・俗に入れば其の俗に従う(ぞくにはいればそのぞくにしたがう) その土地へ行ったら、その土地の習俗に従うべきである。それが自然の生き方である。 類:●郷に入っては郷に従う 出典:「荘子−外篇・山木」「入其俗従其俗」