−そう1(sou1)−
・滄海の一粟(そうかいのいちぞく)
・滄海変じて桑田となる(そうかいへんじてそうでんとなる) 海であった所が桑畑になるという意味で、世の中の変遷が激しく、将来を予測することができないことの喩え。 類:●桑田変じて滄海となる 出典:「儲光羲−献八舅東帰詩」「滄海成桑田」 人物:儲光羲(ちょこうぎ) (エン)州の人。707〜759年。開元14年(726)、進士に及第した。監察御史となったが、安禄山の乱のとき、叛軍に捕らえられ、その朝廷に仕えた。ために、叛乱鎮定の後、広東の地方に流されて死んだ。<枕流亭〜素人中国史愛好サイト>
・喪家の狗(そうかのいぬ)
・創業は易く守成は難し(そうぎょうはやすくしゅせいはかたし) 新しく事業を起こすことはそれほど難しいことではなく、その事業を衰微させないように維持することが難しいのだ。 故事:「貞観政要−論君道」、「唐書−房玄齢伝」 唐の太宗が房玄齢や魏徴らの功臣に、創業と守成とどちらが難しいかと問い、それに対して魏徴が答えた言葉。 参考:守成(しゅせい) 創始者の意向を継ぎ、その築き上げたものを更に堅固なものにすること。 出典:貞観政要(じょうがんそうよう) 中国の雑史。10巻。唐の呉兢(ごきょう)撰。玄宗の開元8年(720)以後の成立。太宗と群臣との間に行われた政治論議を40門に分類編集したもの。
・総毛立つ(そうけだつ・そうげたつ) 寒さや恐怖のために、全身の毛が逆立つほどぞっとする。全身に鳥肌が立つ。 類:●身の毛が弥立つ 用例:俳・毛吹草−五「花の偃そうげだたする嵐哉」
・総決算(そうけっさん) 1.一定期間の全収入、全支出を決算すること。2.ある期間続けてきたことに結着を付けること。締(し)め括(くく)りをすること。また、その結末。  例:「高校生活の総決算」
・象牙の塔(ぞうげのとう) フランス語のla tour d'ivoireの訳語。 1.現実から逃避して、静寂・高逸な芸術を楽しむ芸術至上主義の境地。2.学者らが、現実を逃避して観念的な態度で送る学究生活。また、その研究室。 ★サント=ブーブが、詩人ビニーの態度を批評していった語<国語大辞典(小)>
・双肩に掛かる(そうけんにかかる) 責任や責務などが、その人の負担となる。 類:●肩に掛かる 例:「社の命運は君の双肩に掛かっている」
・双肩に担う(そうけんにになう) 左右両肩に荷物を背負うという意味から、責任を負う、責務を引き受けること。
・糟糠の妻(そうこうのつま・め) 貧しい時から連れ添って苦労を共にしてきた妻。 類:●糟粕の妻 出典:「後漢書−宋弘伝」「臣聞、貧賊之知不可忘、糟糠之妻不下堂」 参考:糟糠(そうこう) 酒糟(かす)と米糠(ぬか)のことで、粗末な食事のこと。
・糟糠の妻は堂より下さず(そうこうのつまはどうよりくださず) 「貧しい頃から苦労を共にしてきた妻ですので、立身出世したからといって、離縁する訳には参りません」。 故事:「後漢書−宋弘伝」 後漢の光武帝が、夫を失った姉(湖陽公主)との結婚を、臣下である大司馬宋弘(そうこう)に問うたとき、宋弘が答えた言葉。
・相好を崩す(そうごうをくずす) それまでの表情を変えて、にこやかに笑う。喜びや笑いが自然に内から零(こぼ)れて、表情に現れる様子。 類:●顔を綻(ほころ)ばせる
・相好具足(そうごうぐそく) 1.仏の三十二相(外見的特徴)・八十種好(内面的特徴)が欠けることなく備わっていること。2.容貌が、欠点もなく立派に備わっていること。 類:●五体満足
・造作ない(ぞうさない) 容易(たやす)い。容易である。また、簡単で、手軽である。面倒もなく、大して手間や費用を要さない。 類:●苦もなく 用例:評判・色道大鏡−14「一度通じて後は、再会造作なき物としるべし」
・総浚い(そうざらい) 1.それまでに習ったものや学んだことを全部復習すること。2.演劇・音楽・舞踊などで、公開以前に出演者が全部集まって、本番の通りに演ずる稽古。 類:●総稽古●リハーサル
・造次顛沛(ぞうじてんぱい・そうしてんぱい) 気が急(せ)いて忙しいような瞬間でも、躓(つまず)き倒れる僅(わず)かな間でも。転じて、咄嗟(とっさ)のときの喩え。 類:●瞬間●束(つか)の間 出典:「論語−里仁」「造次必於是、顛沛必於是」<いついかなるときも仁を忘れてはいけない> ★「顛」「沛」ともに、つまずき倒れる意<学研国語大辞典>
・宋襄の仁(そうじょうのじん)
・曾参人を殺す(そうしんひとをころす) 事実でないことでも何度も聞かされると、信じるようになるという喩え。 類:●三人市虎を成す●三言市虎 故事:「戦国策」 孔子の高弟の曽参が費という町に住んでいたころ彼と同姓同名の者が人を殺した。そこで、ある人が曽参の母に「曽参が人を殺した」と告げたが、母親は相手にしなかった。またある人が同じことを告げても、母親は相手にしなかった。しかしまたある人が、「曽参が人を殺した」と告げるとさすがに恐れ驚き逃げ出してしまった。 人物:曾子(そうし)・曾参(そうしん) 中国、春秋時代の魯の儒学者。名は参(しん)。字は子輿(しよ)。前505〜?。孔子の弟子となり孝道で認められた。「孝経」の作者と伝えられる。