−そう2(sou2)−
・総好かん(そうすかん) 「総」は一同・全員の意味で、全員から嫌われること。 例:「総好かんを食う」
・漱石枕流(そうせきちんりゅう) 自分が言った誤まりを指摘されても直そうとしないこと。また、負け惜しみをして、ひどいこじつけをするような偏屈(へんくつ)な態度。 →石に漱ぎ流れに枕す
・蹌蹌踉踉(そうそうろうろう) 蹌踉(よろ)めくこと。よろよろして歩く様子。 類:●蹌踉 例:「蹌々踉々たる足取り」
・相談尽く(そうだんずく) 独り決めせず、全て相談した上で行なうこと。お互いに了解してものごとを行なうこと。また、その様子。 ★「ずく」は接尾語<国語大辞典(小)>
・桑中の喜び(そうちゅうのよろこび) 「桑中」は、桑の林(畑)の中のことで、男女の不義の愉(たの)しみ。 ★「詩経−弋風・桑中」が淫奔の詩と解されるところから<国語大辞典(小)> 
・桑土綢繆(そうどちょうびゅう) 風雨の来る前に、鳥が桑の根を取って巣の穴を塞ぎ、風雨を防ぐ。災難を、その来る前に防ぐことの喩え。 類:●曲突徙薪 出典:「詩経−ヒン[幽-幺+豕]風」「徹彼桑土、綢繆ユウ[片+戸/甫]戸」
・左右なし(そうなし) 「左右」は、兎角(とかく)と同義、または、どちらにするか決めること。 1.あれこれと躊躇(ためら)わない。兎や角言うまでもない。無造作である。容易である。 用例:今昔−二六・二二「左右无く家へ行きけるに」 2.あれともこれとも、どちらとも決まらない。 用例:能因本枕−二〇「なほこの事、さうなくてやまん、いとわろかるべしとて」 3.=双無し。類(たぐい)がない。並ぶものがないほど素晴らしく優れている。この上ない。 類:●左右に及ばず 用例:宇津保−吹上・下「その人の子に、さうなき男子の、容貌(かたち)、心勝れたるを持ちて」
・総嘗めにする(そうなめにする) 1.被害がそれからそれへと全体に及ぶこと。多く、火事のときに用い、火の手が町並みや山の全てに及ぶことを言う。 例:「火事は瞬く間に商店街を総嘗めにした」 2.後に何も残らないことから、賞などを悉(ことごと)く獲得すること。 例:「昨年の主要映画賞を総嘗めにした作品」 3.次から次へと、相手全部を打ち負かすこと。 例:「1人で敵を総嘗めにした」 参考:破竹の勢い
・左右の念(そうのねん) 左右の人の配慮という意味で、周囲の人々の色々な気配りのこと。周りにいる人々の心遣い。
・相場が決まる(そうばがきまる)[=決まっている] ある事物についての評価が、世間でそのように決まる。また、一般にそういうものだと考えられている。 例:「横綱は強いと相場は決まっている」
・相場が悪い(そうばがわるい) 情況が不利である。形勢が悪い。 類:●風向きが悪い●旗色が悪い
・象は歯有りて以って其の身を焚かる(ぞうははありてもってそのみをやかる) 象は、貴重な象牙を生やしているがために、捕まえられて殺される憂き目に遭う。財産が増えると、賊に狙われるようになるということ。 類:●膏燭は明を以って自ら鑠(と)く●財多ければ命殆うし 故事:「春秋左氏伝−襄公二十五年」「象有歯以焚其身、賄也」 晋の時代、范宣子(はんせんし)は、政務をするようになるや、諸侯に幣物(へいもつ)を求めるようになった。これを諌(いさ)めるために、鄭(てい)の子産(しさん)が宣子に宛てた書簡に見られる。この諺自体は古くからあるものらしい。
・臓腑を揉む(ぞうふをもむ) 酷く気を揉(も)む。非常に心配する。 類:●五臓を揉む●臓を揉む
・双璧(そうへき) 1.二つの玉。一対の宝玉。2.甲乙が付けられないほどに優れている二つのもの。比較対照される一対の立派な物や人。 例:「源氏物語と枕草子は平安朝文学の双璧と言われている」 出典:「北史−陸俟伝」「僕以老年、更覩双璧」 北魏の陸凱(りくがい)の子、陸イ[日+韋](りくい)と陸恭之(りくきょうし)の兄弟が揃って英俊であったことを、洛陽の長官賈禎(かてい)が評して「双璧」と言った。
・総捲り(そうまくり) 1.全部捲ること。2.片端から残らずことを行なうこと。特に、全部記載したり、論評したりすること。 3.知られていないこと、秘密にされていることを、残らず人に話す。全てを明らかにすること。 類:●暴露する 例:「政界総捲り」
・草莽の臣(そうもうのしん) 1.民間にあって官に仕えないでいる人。 類:●在野の人●平民 出典:「孟子−万章・下」「在国曰市井之臣、在野曰草莽之臣」 2.草深いところにいる臣下の意味で、自分を遜(へりくだ)っていう言葉。
・桑楡且に迫らんとす(そうゆまさにせまらんとす) 夕日が桑や楡(にれ)の上に掛かることから、人生の晩年が迫ることを喩える。死期が次第に近付き迫ってくること。 出典:「旧唐書−太宗紀」
・叢蘭茂らんと欲して、秋風之を敗る(そうらんしげらんとほっして、しゅうふうこれをやぶる) 1.芳香を放つ蘭の群生は繁茂しようとするが、冷たい秋風が吹いて枯らしてしまう。賢君が良い政治を行おうとしても、悪臣の画策のためにその徳を発揮できないことの喩え。2.一般に、立派な人物が小人に邪魔をされて、力を発揮できないことの喩え。 出典:「帝範−二・去讒」「故叢蘭欲茂、秋風敗之、王者欲明、讒人蔽之」 出典:帝範(ていはん) 帝王の模範を記した書。中国、唐の太宗が撰して太子(のちの高宗)に与えたとされる。4巻。648年成立。君体・求賢・納諫など12編に分けて修身治国の道を述べたもの。「貞観政要」と共に帝王学の教科書として知られる。
・草履履き際で仕損じる(ぞうりはきぎわでしそんじる) 帰る間際に失敗すること。最後の失敗によって、今までの成果を全部駄目(だめ)にしてしまうこと。 類:●磯際で船を破る●港口(みなとぐち)で難船
・総領の甚六(そうりょうのじんろく)
・葬礼帰りの医者話(そうれいがえりのいしゃばなし) 1.葬式の帰り道に、別の医者に診(み)てもらえば助かったかも知れないなどと話をする。手遅れで間に合わないことの喩え。 類:●覆水盆に反らず 2.無益な後悔を口に出すことの喩え。いまさら言っても仕方のない愚痴の喩え。
・臓を揉む(ぞうをもむ) → 臓腑を揉む