−すみ(sumi)−
・隅一(すみいち) 野球で、一回に一点入れただけでその後、点が入らないこと。
・住み浮かる(すみうかる) 一定の住所に落ち着かないで、余所へ浮かれ出る。 用例:山家集−中「縁なくなりてすみうかれにける古郷へ帰りゐける」 用例の出典:山家集(さんかしゅう) 平安末期の私家集。六家集の一つ。西行(さいぎょう)の詠歌を収めたもの。成立は平安末期〜鎌倉初期。四季・恋・雑に部類され、歌数は流布本で約1600首、異本『西行法師家集』で約600首ある。異本の抄出歌集の『山家心中集』もある。旅や草庵(そうあん)生活で得られた感慨を詠(うた)った歌に特色がある。
・隅から隅まで(すみからすみまで) 一方の隅から他方の隅まで。ある範囲内の全てに亘(わた)って。 例:「隅から隅まで、ずず、ずいーっと」
・墨と雪(すみとゆき) 性質がまったく反対なもの。 類:●氷と炭●水と油●白と黒
・隅に置けない(すみのおけない) 1.思いの外に知識・才能・技量があって、油断できない。案外に世間を知っていて侮(あなど)れない。2.抜け目がない。
・墨に染まれば黒くなる(すみにそまればくろくなる) 人は環境や交わる友によって良くも悪くもなることのたとえ。 類:●朱に交われば赤くなる 出典:「太子少傳箴」「近墨必緇、近朱必赤」
・墨の衣(すみのころも) 墨染めの衣。黒色の僧衣。または、鼠色の喪服(もふく)。 類:●墨染
・墨の袂(すみのたもと) 墨染めのころも。また、その袂(たもと)。
・墨は餓鬼に磨らせ、筆は鬼に持たせよ(すみはがきにすらせ、ふではおににもたせよ) 墨を磨るときにはなるべく柔らかくし、筆を使うときには力を込めて勢い良く書くのが良いということ。
・棲み分け(すみわけ) 1.生物用語。生活様式が類似する動物が、種(しゅ)としては同じところに棲めるのに、競争などの相互作用の結果、生活の場を空間的または時間的に分け合う状態で生存する現象。 ★ヤマメが下流に、イワナが上流にすむなど。 ★今西錦司・可児藤吉の水生昆虫の研究から生れた概念。 2.一般に、生息場所が異なる現象を指して言う。 例:「中小企業と大企業の棲み分けが進む」
・済みません(すみません)・すいません 感謝の気持ちを表わすとき、物を頼むとき、謝罪するときなどに幅広く使える言葉。 例:「済みませんが、もう少し大きな声でお願いします」 参考:御免なさい・申し訳ない ★幅広く使える反面、相手との距離を広げるので、親しい間柄には不向き。かといって、公の場面にも軽薄と感じさせる。概して、他人行儀な印象を持たせるので、使用方には注意が必要。ごく身近な先輩や師に向かっては有効か。 ★訛って、「すいません」とも言う。
・墨を磨るは病夫の如くし、筆を把るは壮士の如くす(すみをするはびょうふのごとくし、ふでをとるはそうしのごとくす) 墨を磨(す)るときにはできるだけ力を入れないで磨り、筆で書くときは勢い良く力強く書くべきだ、ということ。 類:●墨は餓鬼に磨らせ筆は鬼に持たせよ