−すな(suna)−
・砂にする(すなにする) 1.無駄にする。役に立たなくする。代金、借金などを只にする。 用例:浄・曾根崎心中「二貫目といふ銀(かね)をまんまと砂にしてのけた」 2.誤魔化して取る。騙(だま)し取る。 用例:浄・出世握虎稚物語−三「先も見へぬぬか悦び、結構ごかしで金六両、砂にせふとはあべかこう」 用例の出典@:曾根崎心中(そねさきしんじゅう) 浄瑠璃世話物。1段(3場)。近松門左衛門。元禄16年(1703)5月大坂竹本座初演。同年4月、北の新地天満屋の遊女お初と、醤油屋平野屋の手代徳兵衛とが、曾根崎天神の森で心中した事件を脚色したもの。お初徳兵衛。「この世の名残、夜も名残〜」の名道行文で有名。大当たりして、竹本座の経営を立て直した。 用例に出典A:出世握虎稚物語(しゅっせやっこおさなものがたり) 浄瑠璃。享保10年(1725)。竹田出雲。4巻。秀吉の幼少期の出世物語。
・砂の底から玉が出る(すなのそこからたまがでる)[=中から〜] ごくありふれてつまらないものの中から、貴重なものが現れる。たくさんのつまらないものの中に、とても貴重なものが隠れている。
・砂を噛ます(すなをかます) 相撲で、相手を土俵の上に投げ倒す。
・砂を噛むよう(すなをかむよう) 砂を噛んだように味がないということで、物の味わいがない。無味乾燥で興味が湧かない。
・砂を掴む(すなをつかむ) 1.相撲で勝負に負ける。2.取るに足りないことをする。