−すつ(sutu)−
・頭痛の種(ずつうのたね) 悩んで頭が痛くなる元という意味から、日頃の心配事・悩み事・気苦労などの因って来る源を指す言葉。 例:「不景気が頭痛の種だ」
・すっからかん 空っぽで、何もないこと。何一つ残っていないこと。 類:●空っ穴 例:「財布がすっからかんになった」
・ずっこける 1.腰紐などが弛(ゆる)んでずり落ちそうになる。 用例:洒・客衆肝照子「金糸のぬいのすれたやつ丸くけをしりのあたりへすっこけてむすび」 2.嵌(は)めを外す。ふざける。 例:「ずっこけた奴だ」 3.的外れなことをする。 例:「あいつはしょっちゅうずっこけたことをする」 4.脱落する。 用例の出典:客衆肝照子(きゃくしゅきもかがみ) 洒落本
。天明6年(1786)。山東京伝。役者の身振り、台詞(せりふ)を絵本仕立てにした「役者氷面鏡」のパロディで、吉原ゆかりの人間の類型を表現している。
・擦った揉んだ(すったもんだ) 互いに意見などが合わなくて揉(も)める。ごたつく。 例:「擦った揉んだの挙句(あげく)中止になった」
・すってんてん 所有していた金や物などがすっかりなくなること。無一文または無一物の状態。 例:「競馬で負けてすってんてんになった」
・すっとこどっこい 1.相手を罵(ののし)って言う言葉。 類:●馬鹿野郎●間抜け ★「すっとこ」は、元来「裸体」のことで、転じて、醜い男を罵る言葉として言われていた。「どっこい」は、「どこへ」から派生した語ではあるが、この場合、語調を整えて威勢良くするために付けたものと考えられる。見窄(みすぼ)らしく擦り切れた着物を着た裸同然の男を罵ったものか。或いは、「火男(ひょっとこ)」との関係も。 2.江戸を中心に行なわれていた「馬鹿囃子(ばかばやし)」の囃子詞(はやしことば)。 ★1.からか。
・素っ頓狂(すっとんきょう) 突然、調子っ外れな声を出したり、奇抜な言動をしたりする。また、その人。 例:「素頓狂な声を上げる」 ★「すっ」は接頭語<国語大辞典(小)>
・素っ破抜く(すっぱぬく) 1.刀剣など、刃物を不意に抜き放つ。 用例:伎・霊験曾我籬−八幕「酔うた振りしてすっぱ抜き、又も辻切り物取りも」 2.俗語。人の隠し事や秘密を暴(あば)いて明るみに出す。 類:●暴露する 例:「彼女の私生活を素っ破抜いた」 ★「素っ破」は、戦国時代、野武士、強盗などから出て間者をつとめた者。忍びの者。乱波(らっぱ)<国語大辞典(小)> 3.俗語。人の意表を突く。 類:●出し抜く
・素嬪(すっぴん) 俗語。 ★「別嬪」からの派生。 1.化粧を施(ほどこ)さない素顔の状態でも、容貌が美しい女性。2.転じて、化粧していない顔。 類:●素顔 例:「素嬪のまま買い物に出掛けた」
・すっぽかす 1.約束や仕事など、義務を果たさないで、放っておく。 例:「待ち合わせをすっぽかす」 2.物を投げ出す。 ★「すっ」は接頭語。「素っ放かす」とも書く<大辞林(三)>
・鼈が時を作る(すっぽんがときをつくる) 鳴かない鼈が鶏のように朝の時を告げる。この世にあるはずのないことの喩え。 類:●死に馬が屁を扱く●兎角亀毛