−たい(か1)(tai2-1)−
・大概にする(たいがいにする) 程々のところで止(や)めておく。好い加減のところで止める。適当なところで留めておいて深入りしない。 類:●大体にする●大方(おおかた)にする●大抵にする 例:「冗談も大概にしろ」
・大海の一粟(たいかいのいちぞく)[=一滴(いってき)] 広大な場所に非常に小さなものがあること。 類:●滄海の一粟
・大海は芥を択ばず(たいかいはあくたをえらばず)
・大海を手で塞く(たいかいをてでせく) 到底(とうてい)不可能なことをしようとすること。事の困難に引き換え、こちらがあまりにも無力なことの喩え。 類:●蛤で海をかえる
・体がない(たいがない) 1.しっかりしたところがない。意気地がない。だらしがない。2.益体(やくたい)もない。 類:●埒(らち)もない●くだらない 3.相撲で、倒れてはいないが、既に堪(こら)える余裕のない状態。 類:●死に体(しにたい)
・大廈成りて燕雀相賀す(たいかなりてえんじゃくあいがす) 大きな建物が出来上がると、燕や雀など小鳥達は安全な巣を作れるので、互いに喜び合う。 1.物にはそれぞれ適する場所があるということの喩え。2.環境の変化が、思い掛けないところに影響を及ぼすことの喩え。 出典:「淮南子−説林訓」「湯沐具而[虫+幾]虱相弔、大廈成而燕雀相賀」
・大廈の材は一丘の木にあらず(たいかのざいはいっきゅうのきにあらず) 大きな建物は、一つに丘だけの木を材料にした訳ではないということ。転じて、大事業は必ず大勢の力によるもので、一人だけの力ではできないということ。 出典:「王褒−四子講徳論」 人物:王褒(おうほう) 字は子淵。瑯邪郡臨沂の人。513〜576。梁の武帝に仕えて、秘書郎・太子舎人を勤め、南昌県侯に封ぜられた。蕭子雲に草書・隷書を学んで、師とともに名を知られた。梁の元帝が即位すると、吏部尚書・右僕射に上った。承聖3年(554)、西魏が江陵を落とすと、長安に抑留された。官は少司空に上った。北周が建国されると、石泉県子に封ぜられた。明帝に近侍し、詩を賦し、談論に興じた。のち宜州刺史として出された。顧野王とともに二絶と称された<枕流亭>
・大廈の顛れんとするは一木の支うるところにあらず(たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず) 大きな建造物が倒れようとしているとき、一本の木ではどうすることも出来ない。転じて、大勢が傾きかけているときには、一人の力では支え切れないということ。 出典:「文中子−事君」
・対岸の火事(たいがんのかじ)[=火災] 向こう岸の火事はこちらに飛び火する心配がないところから、自分には関係なく少しも痛痒を感じないものごと。 類:●向こう河岸の火事●川向こうの火事●高みの見物
・大姦は忠に似たり(たいかんはちゅうににたり) 「大姦」は、極悪人のこと。大悪人は本性を隠して忠実に主君に仕(つか)えるので、却(かえ)って忠臣のように見えるものである。悪人も大物となれば、中々尻尾を掴(つか)ませないものである。 出典:「宋史−呂誨伝」「劾安石曰、大姦似忠、大詐似信」 王安石(おうあんせき)を弾劾(だんがい)した御史中丞・呂誨(りょかい)の『弁姦論』にある言葉。
・大義親を滅す(たいぎしんをめっす) 国家、君主の大義のためには、人として最も深いつながりの親・兄弟などの肉親さえも顧(かえり)みない。 類:●大義滅親 出典:「春秋左氏伝−隠公四年」
・大疑は大悟の基(たいぎはたいごのもと)
・大器晩成(たいきばんせい)
・大義名分(たいぎめいぶん) 1.人として、または、臣民として守らなければならない根本的な道理。2.行いの基準となる道理。理由付けとなる明確な根拠。疚(やま)しくない口実。 例:「大義名分が立つ」
・大逆無道(たいぎゃくむどう) 甚(はなは)だしく人の道に背(そむ)き、道理を無視した行為。主君や親を殺すことなど。 出典:「史記−高祖本紀」
・大魚を逸す(たいぎょをいっす) 大事を仕損じる。大きな功名手柄や、大儲けなどを逃(の)がす。
・大工の掘っ立て(だいくのほったて) 立派な家を建てるのを仕事とする大工が、自分では掘っ立て小屋のような粗末な家に住んでいる。他人のためばかりに忙しく、肝心の自分のことには手が回らないことの喩え。 類:●髪結いの乱れ髪●医者の不養生●坊主の不信心●儒者の不身持ち●紺屋の白袴●易者身の上知らず
・大言壮語(たいげんそうご・だいげんそうご) 実力もないのに大きなことを言うこと。できそうもないことをできると言うこと。また、その言葉。 類:●大口を叩く●大風呂敷を広げる●御大層をまける●骨箱をたたく●頤(おとがい)を叩く●壮言大語
・大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし)