−たい(か2)(tai2-2)−
・大行は細謹を顧みず(たいこうはさいきんをかえりみず)[=細瑾を〜・小謹を〜] 大事業をしようとする者は、些細な事柄や欠点を気に掛けないで、どしどし事を行なう。 出典:「史記−項羽本紀」
・大巧は拙なるが如し(たいこうはせつなるがごとし) 優れて巧みな人は、細工を弄しないから却って下手(へた)に見える。また、その芸を自慢しないから一見拙(つたな)い者のように見える。 類:●大賢は愚に似たり●大智は愚の如し●大弁は訥(とつ)なるが如し●大賢は愚なるが如し●能ある鷹は爪を隠す 出典:「老子−四十五」「大直若屈、大巧若拙、大弁若訥」
・太公望(たいこうぼう)
・大功を成す者は衆に謀らず(たいこうをなすものはしゅうにはからず) 大事業を成し遂げる者は、人の意見を聞いたり相談したりせず、自分の考えで事を進めるということ。 ★議論百出を避けるため、また、秘密が漏れるのを警戒して。  出典:「戦国策−趙」「夫論至徳者、不和於俗、成大功者、不謀於衆」
・大黒の尻に味噌(だいこくのしりにみそ) あり余っている上に、更に物を添えること。 類:●長者の脛(はぎ)に味噌を付ける 
・大黒柱(だいこくばしら) 1.日本の民家の中央部に立っている最も太い柱。主に土間、表、内の三合にあたる柱で、建物の位置が定まった時、最初に立てられる。 類:●立初柱(たてそめばしら) ★家格の象徴とされる<大辞林(三)> 2.集団(一国や一家など)の中心となって支えている人物。
・太鼓のような判を捺す(たいこのようなはんをおす) 間違いなく大丈夫だと保証する。 類:●太鼓判を捺す
・太鼓判を捺す(たいこばんをおす) 「太鼓判」は、太鼓のように大きな判子の意味。証明のために大きな判を捺すいうことで、絶対間違いがないと保証すること。
・醍醐味(だいごみ) 1.仏教用語。五味(ごみ)のうち最上のもの。 参考:五味(ごみ) 『涅槃経(ねはんぎょう)』で、牛乳を精製する過程で順次に生じる五段階の味。乳味(にゅうみ)・酪味(らくみ)・生酥味(しょうそみ)・熟酥味(じゅくそみ)・醍醐味の五つの総称。醍醐味を最上とする。 2.仏教用語。1.から転じて、如来の最上の教法。一乗真実の法。 類:●醍醐の法味 3.最上の味わい。美味なものを褒めていう言葉。 用例:浄・最明寺殿「粟(あわ)の飯とは日本一の醍醐味」 4.ものごとの本当の面白さ。深い味わい。 類:●真髄 例:「それが芝居の醍醐味だ」 用例の出典:最明寺殿百人上臈(さいみょうじどのひゃくにんじょうろう) 浄瑠璃。近松門左衛門。元禄12年(1699)。宇治座初演。「鉢の木」もの。最明寺殿とは北条時頼(ときより)のこと。その子・時宗が謀反に遭って、龍女に救われる場面など。
・太鼓も桴の当たりよう(たいこもばちのあたりよう) 太鼓の音の大小は叩き方次第であるところから、遣り方次第で相手の応じ方も違ってくること。
・太鼓持ち(たいこもち) 1.遊客に従って、酒興を助けるのを職業とする男。 類:●太鼓衆●男芸者●幇間(ほうかん) 2.人に追従(ついしょう)してその歓心を買う者。諂(へつら)って、機嫌ばかりを取る者。 類:●太鼓叩き 3.太鼓を持つこと。また、その人。 類:●御幣持ち ★「たいこ」は語の相槌・応答の意、「持ち」は仲を取り持つことの意とするほか、諸説がある<国語大辞典(小)>
・太鼓を打つ(たいこをうつ) 1.他人に調子を合わせる。相手の取り持ちをして機嫌りを取る。迎合する。2.座を取り持つ。 類:●太鼓を叩く●太鼓を持つ 3.馬が発情して陰茎で自分の腹を打つ。
・太鼓を打てば鉦が外れる(たいこをうてばかねがはずれる) 太鼓を叩くことばかりに気を取られていると鐘を打つことが疎(おろそ)かになって打ち損じたりするものである。一度にあれもこれもやろうとしても、できるものではないということの喩え。 類:●鉦叩きゃ念仏が外れる●田のことすれば畑が荒れる●念仏申せば鉦が外れる●櫓を推して櫂は持たれぬ 反:■一挙両得■一石二鳥
・太鼓を叩く(たいこをたたく)[=持つ] 甘言やお世辞を言って、相手の気に入るようにする。相槌(あいづち)を打つ。 類:●上手を遣う●太鼓を打つ
・大根食ったら葉っぱ干せ(だいこんくったらはっぱほせ) 大根の葉のようにいつもは捨ててしまうようなものでも、まさかの時に役に立つものである。一見利用価値のないもののようでも、まったく無駄なものはないということの喩え。 類:●無用の用●豚は鳴き声以外捨てるところがない
・大根役者(だいこんやくしゃ) 白い大根に素人のシロを掛けた洒落(しゃれ)。演技が拙(まず)い俳優を嘲(あざけ)って言った言葉。単に「大根」とも言う。 ★なお、語源としては、下手な役者を馬の脚ということから、それに大根を結び付けたものであるとか、大根はいくら食べても、また、どんな食べ方をしてもあたらないから、あたらない役者の洒落であるとの説もある<国語慣用句辞典(集)>
・大根を正宗で切る(だいこんをまさむねできる) 高々大根を切るのに、名刀の誉(ほま)れ高い正宗を持ち出すことはない。 1.大したことでもないのに、大人物や大袈裟な手段を取ることの喩え。些細なことを大袈裟にすることの喩え。 類:●鶏を割くに焉ぞ牛刀を用いん 2.実力ある立派な人物に、くだらない仕事をさせることの喩え。また、人や道具の使い方を間違っていることの喩え。