−たい(さ2)(tai3-2)−
・大食は命の取り越し(たいしょくはいのちのとりこし) 並以上に食べる者は、生命を縮めることになるということ。
・大食腹に満つれば学問腹に入らず(たいしょくはらにみつればがくもんはらにいらず) 食べ過ぎて満腹になると、思考活動が鈍(にぶ)くなるものである。 類:●腹の皮が張れば目の皮が弛む
・大事を取る(だいじをとる) 軽々しく行動せず、用心して事に当たる。慎重(しんちょう)に行動する。自重(じちょう)する。
・大尽風を吹かす(だいじんかぜをふかす) 金持ちであることをひけらかすこと。また、いかにも大金 を持っているように見せ掛けること。
・大人君子(たいじんくんし) 徳の高い立派な人。盛徳(せいとく)の人。有徳(ゆうとく)の人。
・大人は大耳(たいじんはおおみみ) 心にゆとりのある人は、細かなところを一々聞き咎(とが)めない。 類:●大名は大耳
・大人は虎変する(たいじんはこへんする) 徳が高い人は、虎が見事(みごと)に変身するように、速(すみ)やかに過ちを改める。 類:●君子は豹変する 反:■小人は革面す ★虎も豹も、季節が変わるときに毛が抜け変わり鮮やかに変身する。その変わりっぷりが一番見事なのが、虎、その次が豹だと言われる。 出典:「易経−革卦」「大人虎変、其文炳也」
・大人は赤子の心を失わず(たいじんはせきしのこころをうしなわず) 1.高徳の人は、幼いころの純粋な心をいつまでも失わず、それを広めて大きな徳を備えるようになった。2.君主たる者は、幼児を慈(いつく)しむように民心を大切にするので、いつも民の支持を失わない。 出典:「孟子−離婁・下」
・大声は里耳に入らず(たいせいはりじにいらず) 優れた音楽が俗耳に入り難(にく)いように、高尚な道理を説き聞かせても、俗人には理解され難いものである。また、高尚な言論は、俗人には解(わか)らないということ。 出典:「荘子−天地」「大声不入於里耳」 ★「里耳」は、「俚耳」と同じ意味で俗人の耳のこと。
・泰然自若(たいぜんじじゃく) 落ち着いてものごとに動じない様子。 ★「泰然」も「自若」も落ち着いているという意味。同意の言葉を重ねて意味を強めたもの。
・大層もない(たいそうもない) とんでもない。途轍もない。愚にも付かない。 用例:滑・七偏人−三「大造(タイソウ)もねへ事を言やアがるから」
・大層らしい(たいそうらしい) いかにも大袈裟である。 用例:洒・福神粋語録−自序「何もこんなに大造(タイソウ)らしくいふ事もねへ」 類:●仰山である ★「らしい」は接尾語<国語大辞典(小)> 用例の出典:福神粋語録(ふくじんすいごろく) 洒落本。細川万象亭(森島中良)作。天明6年(1786)。・・・詳細調査中。
・大それた(だいそれた) 標準やあるべき状態から大きく外(はず)れたという意味で、とんでもない。不届きな。まったく非常識な。 類:●度外(どはず)れた●おおそれた 用例:俳・毛吹草−五「だいそれた匂ひは梅のつぎほ哉」